川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

長雨で甲子園が連日試合中止になる

長雨で甲子園が連日試合中止になる前。

f:id:guangtailang:20210816135708j:image中国の文化・習俗にあかるい人なら知っている〈戴绿帽子〉。緑色の帽子を被る。高校野球を点けていたら専大松戸のユニフォームの帽子が緑だったから、Hさんに再確認で「この帽子はどうですか?」と画面を指差すと、目を凝らして「ダメだよ」と言う。彼らは皆高校生の独身者ですがダメですか。そうですか。わたしはFILSON(フィルソン)という米国のアパレルメーカーが好きでよく買うのだが、キャップに緑色のものがけっこうある。前の妻の時に学んで、いいのがあっても買う前にHさんに確認した。「ダメです」という返事だった。それで黒色や青色ベースのを買った。戴绿帽子というのは、要は〈妻に浮気(不倫)された夫〉ちゅう意味で、不名誉なことなのだ。给や被を使ったかたちで表現されることも多い。その逆の場合の表現もあるのかしら。試合は選抜準優勝校の明豊を専大松戸が危なげなく破った。

f:id:guangtailang:20210816135719j:imageHさんのノートに残された作品。オートマティズムでしょうか。近頃、彼女がミキサーでバナナシェイクをつくってくれる。わたしはふつうのバナナは食べないが、バナナシェイクに変わると飲む。排便をスムースにする効果があるため、連日飲んでいる。それで問題はミキサーの刃だ。これが恐い。彼女がミキサーを洗うさまを見るたび、その洗い方は危ないよ、おれがやるからということになる。ご存知のように器械を分解して行うわけだが、彼女は刃の部分も他と同じような手つきで洗う。この固形を粉砕するためのチタン刃には細心の注意が必要だ。古い話だが、母親の知り合いがミキサーの刃でひどく指を怪我したという記憶の塊が脳裡のどこかにこびりついている。昔のミキサーより今のやつは安全装置は発達しているだろうが、洗う時、刃は刃だ。

f:id:guangtailang:20210816182851j:image雨の日にMと浅草寺に行った。高校生ぶりだとかで、ちょっと楽しそう。ぱっと見、ノーパンに見えなくもない白のロンTにショートパンツ、素足に黒サンダル。ズボーンを濡らしたくないのだそう。先に焼肉のランチを食い、濡れた仲見世を歩く。人は少ない。煙を彼女は頭、わたしは尻に被った。参拝してお守りを買い、ここのはがんがん凶が出るよと言いながらおみくじを引くと彼女は凶が出た。わたしは吉。凶の紙を結びつけて、優しい降りの雨の中をまた歩き、雷門で写真を撮った。わたしが勝手にMをヘカテ─残酷の女神─にしたててはいかん、またぞろ青年期と同じ轍を踏もうとするなんてほんとうに成長がない、しかしこれに関して成長などというものが見合うのだろうか、とこの次に会ったあと考えることになる。

f:id:guangtailang:20210818144209j:image水曜日。災害をもたらす大雨が九州・西日本を中心に降りつづいている。雨天により甲子園が連日試合中止になっている。大阪桐蔭東海大菅生の気の毒なコールドゲームもあった。今後どのようにして日程を消化するのだろう。朝、カーテンを開けると薄曇りだったが、みるみる晴れてきた。梨狩りをしたいとHさんが言い、特に調べもせずに市川の大町梨街道に向かった。真間川の脇を走ったりするそこへ向かう下道はずっと混んでいた。連なる直売所の一店で、キズがあるから安いという梨がごろごろ入っているのを3袋とスチューベンを1房買った。梨狩りはやっていなかった。

f:id:guangtailang:20210818144218j:image その後、道の駅しょうなんと手賀沼水の館で野菜など買い、帰り際Hさんがトイレに寄るため奥に行った。わたしが出入り口に目を向けると、雨が強風に押されて斜めに激しく降っていた。Hさんが戻ってきて隣りで眺めながら、あたしがトイレに行かなきゃふたりともずぶ濡れだったと言った。通り雨はやんで強風だけになったので、外に出た。午後2時半帰宅。