川の照り

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

階段

f:id:guangtailang:20210310231552j:image家の中のことで母親と妙に意気投合したのが階段にモノを置かないということ。ここで華さんを例に出すのは申し訳ないが他意はないので。彼女が自宅の階段の端にスリッパを置いたり、拭き掃除の洗剤のボトルを置いたりする。それらは一時的なものではなく、ずっと置いてある。ちょうど柱が少し出っ張っている裏側なので、デッドスペースじみて上り下りに支障はないのだが、基本的に階段の途中にモノを置くことに僕は抵抗がある。彼女は去年の暮れに階段から滑落し骨折したし、現在滑り止めを取り付けてはいるが、万一足に引っかけたら危険だと思うんだよなあと母親に言うと、彼女も同意し、階段にモノを置くのを僕以上に厭う人間だった。思えばたしかに、実家の階段にモノが置いてあった記憶はない。それが当たり前過ぎて、人の家で階段の一段ごとに靴が置いてある光景に衝撃を受けたことがある。幅の広い階段だと端に鉢植えを置いていたり、飾りの置物、たとえば陶器の動物や木製の船長、またはスポーツ用品などが置いてあったりもする。階段がコーナーになっているとなおのことその場所に植木鉢が置いてあったりする。たとえば、神戸の祖母がまさにそうだった。といって実の娘がそれについて注意した感じもなかったし、そのままだった。まあ、言ってその時だけどけてもまた元に戻すだろうという祖母の性格を読んでのことかもしれない。日本の都市部の住宅事情を考えるとそんなに幅の広い階段もないだろうし、階段は移動に危険の伴う場所だから、モノを置くのはできればやめた方がいいと思う。華さんに直接それは言わず、スリッパだけ玄関まで下ろしておいた。