川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

アナウンス

f:id:guangtailang:20200426143605j:imagef:id:guangtailang:20200426143619j:imagef:id:guangtailang:20200426143630j:image26日。都知事は買い物するのなら3日に1回にしてほしいと要請しているようだが、我が家は大人ふたりなので2日か8日に1回と決めている。今日は自転車にリュックを背負い、1週間分の買い出しに行った。必要な主菜・副菜を買って17,000円くらい。スーパーの中でアナウンスが流れ、混雑を避けるため、なるべく平日の昼間に来てくれと言っている。また、入場制限がなんとかとも言っていた。さらに、買い物には家族で来ずに必要最小人数で来てくれと言っていた。昼の1時に行ったが、店内はレジスターに2、3人並ぶ程度、そこそこ人がいた。

川沿いを走っているとちょっと汗ばむほどの陽気。公園内は鮮やかに緑や花が映えている。人間同士がコロナに感染するのであって、植物はコロナと少しも関係がない、だからこんなにも輝いているのかと思った。ウレタン敷きのジョギングコースはウォーキング、ランニング、サイクリングのひとびとで結構な人出だ。

人と人との間隔が保てる広場で植込みの縁に腰掛け、さっき買ったカットフルーツを頬張る。川沿いだから風は強いが、ほんとうに気持ちの良い天気だ。Hさんは立ち上がって腕や脚を伸ばすストレッチをしながら、今朝の地震について話す。諸曁の親族が先日、小笠原沖でマグニチュードの大きい地震が発生した際、微信で中文のその記事を送ってきた。心配ないと返したが、最近、地震が多いと言うのだ。たしかにそんな気はする。このコロナ禍の最中、大地震が起こったら、一体どうなっちまうんだと憂いを感じながらキウイフルーツを口に運ぼうとすると、楊枝からはずれてぽろりんと地べたに落下した。蚂蚁が来て食べますよ、と言ってみる。どこからかスピーカーの声が流れてきて、園内にいる人は長時間滞在しないように、と要請している。横を通りかかった高校生くらいの二人組の片方が、うるせえな、じじいと呟き、もう片方が薄く笑った。たしかに若人に同意しないでもない。ただ、スピーカーのおっさんも好き好んでやっているわけじゃない、この都立公園で、誰かに指示されてやっていることだろうと考える。Hさんがアナウンスの内容を問うから、簡単に説明する。那我们回去吧、と潔い。

帰り道、芝生の斜面に寝そべっているひとびとを眺めながら、日が暮れるまでいてもいいんですよと思った。