川の照り

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

待ち濡れた男

f:id:guangtailang:20191009213223j:imageドヤ街近くのシャッター商店街。秋の高い空の下、座り込む男らにラグビーに対する興味は微塵もない。ただ、ビールは飲む。颱風はどうやら関東・東海を直撃しそうだ。

f:id:guangtailang:20191009213321j:image9日昼。仕事の合間に帰宅し、アルゼンチン対アメリカを観る。アルゼンチンの素早い展開にアメリカはついていけない。そんな中、前半終了間際にアメリカが1トライ返す。

f:id:guangtailang:20191009213334j:imageディフェンスラインの裏に転がされたボールを見事にキャッチし、ゴールラインに飛び込み雄叫びをあげるブレイン・スカリー。191cm、93kg。USAコールが沸き起こる。

f:id:guangtailang:20191009213413j:image途中から観たので流血したプレーはわからない。誰かが言っていたが、ロス・プーマスのユニフォームは昼の光がよく似合う。

f:id:guangtailang:20191009213424j:imageそうは思いませんか? 最後まで観ることなく事務所に戻ったが、試合は47対17でアルゼンチンがアメリカを圧倒した。熊谷ラグビー場

スコットランド対ロシアは事務所のパソコンで速報を見たが、早々と40点以上の差がついており、日本戦をにらんでスコットランドは控え組で戦っているはずだが、と驚く。結局、61対0で完勝し、13日の試合がプールAの決勝トーナメント進出チームを決める大一番となった。思えば、一昔前の日本はロシアに近かった。ロシアのヘッドコーチでウェールズ人のリン・ジョーンズがティア1のチームは別のスポーツをしているようだったと苦笑したらしいが、日本もそのように感じた時期があったろう。試みに、8年前の2011年W杯ニュージーランド大会の日本の戦績を見てみよう。

9月10日、対フランス。21対47

9月16日、対ニュージーランド。7対83

9月21日、対トンガ。18対31

9月27日、対カナダ。23対23

3敗1分け。フランスに善戦したと言えば言えるが、NZには大敗、アイランダーズにも負け、カナダと分けるのが精一杯であった。

前回大会で南ア、今大会でアイルランドとごりごりのティア1に勝利したとはいえ、日本はまだティア1のチームに胸を借りる立場。予選プールの最終試合まで己の命運をその手に握れていることがたいしたもので、本気スコットランドとの白熱した試合を期待しようじゃありませんか。

f:id:guangtailang:20191009213521j:image夜。フィジーのCibi(大分にて)。決まっている。

f:id:guangtailang:20191009213531j:image迎え撃つウェールズ。フライングフィジアンズ対レッドドラゴン。響きがかっこいいもの。

f:id:guangtailang:20191009213613j:image序盤、「変幻自在のパスワークとランニング」(Wikipedia)でフィジーがトゥイソバ、ムリムリバルと立て続けにトライを決める。が、ウェールズも黙っていない。ウィングのジョシュ・アダムスが快速を飛ばし、連続トライ。コンバージョンも成功し、前半、14対10でウェールズがリードして折り返す。

f:id:guangtailang:20191009213626j:image常人がこんなのに巻き込まれたら骨の2本や8本折ってるからね。ラグビーの醍醐味。

この試合は両チームでシンビンが2人ずつ出た。今大会はハイタックルやショルダーチャージの反則を厳格に取っているし、脳震盪の疑いがある選手は即座に退場させてチェックを受けるようになっている。大男たちの肉弾戦、選手のことを考えたらそうならざるを得ないのもわかる。脳震盪を起こしているあいだにさらに衝撃を受けるとシビアなことになる場合もあるらしい。

f:id:guangtailang:20191009213641j:imageばびょーんと空中で交錯する。

f:id:guangtailang:20191009213740j:imageラインアウトのボールをがばーっと両手をひろげ、天翔十字鳳のようにもらいにいくウェールズ選手。結果は29対17でウェールズ。両チームの色が出たおもしろい試合だった。

f:id:guangtailang:20191009213822j:imageプレイヤー・オブ・ザ・マッチのセミ・ラドラドラ。191cm、111kg。剛いヒゲを生やしているが、紳士的な語り口。

f:id:guangtailang:20191010142753j:imagef:id:guangtailang:20191010142806j:imagef:id:guangtailang:20191010142818j:imagef:id:guangtailang:20191010142829j:image10日昼。これで12日試合予定だったプールBのイタリアは決勝トーナメント進出の可能性を残しつつ、ニュージーランドと戦わずして敗退。プールCはイングランド対フランスが中止なので、1位2位が確定となった。まあ、天候(自然災害)はむつかしいわな。不満や文句のぶつけどころもない。雨だからやめましょうとキャンセルする女の軽々しさからは程遠く、運営側も苦渋の決断だったのは理解できる。多少の風雨なら問題なかったのだろうが、こんなとんでもない颱風がW杯の予選最終試合を直撃する可能性とイタリアがニュージーランドに勝つ可能性はどちらが高いのかなんて、比べたところで詮無いことだ。ところで、欧州の人は颱風を実感としてご存知なのだろうか。もしそうでなければ、この土曜日、関東・東海にいらっしゃる方は実地に体験することになるだろう。

13日の試合が無事行われることを祈るだけだ。