川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

白の、

f:id:guangtailang:20190628142559j:image28日、昼。自宅に戻り、Hさんが西川口で買ってきてくれた猪脚(ぢゅーじゃお 豚足)をかじる。香辛料が効いているがにおいはそこまで強くない。テレビを点けるともっぱら大阪のG20サミット、それから私と同い年らしいスリムクラブが無期限謹慎処分になったニュースを映している。昨夜の晩飯で回転寿司店に入ったのだが、その時ちょうど猪脚を詰めた袋をぶら下げていた。袋の中をくんくん嗅いで、まあこれなら問題なかろうと思ったのだ。

Hさんはえんがわが好きだが、名前をなかなか覚えない。えんがわが廻っていない時、白の、白の、と言うから、えんがわだと教えるのだが、次回来た時にはまた白の、と言うんだろう。まあ私だって中国語の運転免許証をなかなか覚えないが(驾驶执照 jiàshǐzhízhào というのだ。车照 chēzhàoで充分だと思う)。えんがわを注文しながら、そういえば先日の仙台旅行で松島に行った時、廻らない寿司屋で出たえんがわが逸品だった。といって私は食べていないが、釣り好きの先輩ふたりがそう言ったのだ。そして、回転寿司店で出るえんがわの安価なことが話題になり、先輩のW氏があれはここのものと違い、オヒョウやなんとかカレイという大型魚なのだと言った、そのエピソードを思い出した。

29日、昼。自宅に戻り、Hさんの作った面条(みぇんてぃあお)をすする。小エビを奥歯で磨り潰すとエキスが滲む。老干妈(らおがんま)をトッピングすると味道のこくが増す。午後、仕事を上がるとHさんのなんとなくの希望でドライブがてらアクアラインを渡り、木更津まで行く。そして、道の駅うまくたの里で落花生や卵、ジャガイモなどを買う。ここは試食が充実している。「うまくた(馬来田・宇麻具多)」とは変わった名だと思うが、この地区の昔の呼び名で、万葉集にも歌が詠まれているという。ちなみに久留里線の駅は馬来田で「まくた」と読むそうだ。千葉は霧雨、乳白色の中にこんもりと濃い緑を湛えている景色をみて、まるで実家(の諸曁)のようだとHさんが呟く。今年もすでに半分が過ぎようとしている。

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