JR成田駅の方角を眺める。数日前よりHさんが感冒にかかり、咳嗽が止まない。寝ているあいだもごほごほいっている。それで毎食後処方された薬を飲むのだが、本人が袋の日本語指示を読む気がないので私が錠剤を並べ、お湯を準備する。回国するのにこんな体調になってタイミングが悪いが、彼女の母親は母親でタイヤの空気が抜けた電動三輪車で転倒し、右手を怪我している。おとつい、包帯を巻いた画像がHさんの妹から送られてきた。前回Hさんが回国する時も、母親は電動三輪車で道路に転がっていた石に乗り上げて転倒し、怪我していた。Hさんの妹が心配ゆえに年寄りの冷や水を罵った。
熱はない、食欲はまああるというHさんと晩飯を食いに外に出ると、まもなく5月份とは思えないひんやりした風が吹いている。通行人ー半分くらい外国人だがーの多くも外套を羽織っている。こんな不順な天候では感冒もひいてしまう。考えがまとまらず店の選択に失敗したあと、ホテルの部屋に戻りなんとなく卓球の試合を観ていた。Hさんは白天に駅で買った胡麻饅頭みたいなのを囓っている。馬龍選手は昔からずっと第一線にいる気がする。30歳。遼寧省鞍山市出身。スウェーデンのマティアス・ファルク選手に勝利した。
中国卓球女子といえば丁寧選手なのだが、今回は劉詩雯選手に完敗し、劉選手が優勝したようだ。丁寧は黒竜江省大慶市、劉は遼寧省撫順市出身。で、この女子ダブルス決勝は日本の伊藤・早田組が2セット連取してそのまま勢いに乗るかと思われたが、2セット取り返され、そのまま4セット連取され逆転負けを喫した。中国の底力を感じた。中国の王・孫組はショートカットで顔も少年のようだ。昔、ショートカットにハチマキをしてやはりこうゆうタイプの選手がいた。丁寧や劉詩雯なんかは最近髪を伸ばしているけれども。伊藤美誠は静岡県磐田市、早田ひなは福岡県北九州市、王曼昱は黒竜江省チチハル市、孫穎莎は河北省石家荘市出身。
