10日。冷たい雨。今日に限っては東京がモスクワより寒いという。最近は川沿いをウオーキングすることもなくなり、日活(にっかつ)ロマンポルノばかり視聴しているから、「川の照り」というよりも「ロマンポルノに照り濡れて」といった様相なのだが、そもそも身辺雑記だからして、これはこれでいいのだ。頭の薄くなった壮年はそう独り言ちると、行きつけの中国料理店のドアを押し、定位置の座席に向かった。濡れたナイロンコートを椅子の背に掛け、腰を落ち着けるやいなやスマホを取り出すと、メモに書かれた観たいロマンポルノのリストを眺める。
『さすらいの恋人 眩暈』(1978・小沼勝)未
『妻たちの性体験 夫の眼の前で、今…』(1980・小沼勝)未
『すけばん刑事 ダーティ・マリー』(1974・長谷部安春)未
『白い指の戯れ』(1972・村川透)済
『悪魔の部屋』(1982・曽根中生)未
『色情姉妹』(1972・曽根中生)済
『赤いスキャンダル 情事』(1982・高林陽一)未
『黒い下着の女』(1982・斉藤信幸)未
『恥辱の部屋』(1982・武田一成)済
『闇に抱かれて』(1982・武田一成)済
『順子わななく』(1978・武田一成)未
『欲情の季節 蜜をぬる18才』(1973・武田一成)済
『オリオンの殺意より 情事の方程式』(1978・根岸吉太郎)済
『濡れた週末』(1979・根岸吉太郎)未
『OL日記 濡れた札束』(1974・加藤彰)未
『鏡の中の悦楽』(1982・西村昭五郎) 未
『愛欲の標的』(1979・田中登)未
Hさんは今日まで横浜で研修だが、私は帰宅し家事を済ませ一息ついたところで、上記「未」の中から気分次第、融通無碍に選択する。当初は日本酒を飲みながら視聴していたのだが、中途で眠くなってしまい内容が頭に入ってこないので、以後は温かい茶にしている。WeRunの歩数もせいぜい日に4000前後だ。
ジャスミンオレンジ風味。茶色の粒は茶葉です。
中国名言集・一日一言』(井波律子・岩波現代文庫)より