曇天。自宅からおよそ165km、茨城最北端にある五浦までいちにんでドライブ。ミュージックサーバーに入れた琴音氏のメジャーデビュー前・後の曲を繰り返し聴きながら。彼女の歌声にはこんな天気が似合う。スムーズに常磐道を走り切り昼時に到着したので、以前にも来たことがあるホテル別館の食堂で漁火定食を頂く。断崖の席に案内され、眼前に六角堂がみえる。ウニの貝焼きがこんもり。3,250円したが、ロケーション代も含まれていると考える。
五浦岬公園内にある展望塔に上り、食堂と反対の側から六角堂を眺める。海からの風が冷たいし、まだ冬が終わってないような景色である。
このあたりは鮟鱇のどぶ汁が有名で、旬の季節に来てみたい気持ちがここ数年募っている。平潟港と勿来港は県を跨いでいるが隣り合せだ。
上の看板にも載っているこの古ぼけた民宿、五浦岬公園と六角堂(茨城大学五浦美術文化研究所)のあいだにあり、地の利が良い。どぶ汁も出すのだろう。帰宅後、思わずネットの口コミなどみてしまった。
『ひと夏の秘密』(1979)に出てきた40年前の駅舎が残っているはずもなく、現在の勿来駅。駅名表示の視認性が悪いのは考え物だと思うんだ。「JR勿来駅前」の表示板はわかりやすいのに。
平潟港から茨城県天心記念五浦美術館の方面に抜ける海沿いの道があり、途中、駐車場にクルマを置けば目の前が太平洋である。向こうにみえる岩の高台の上に美術館が建っている。分厚かった雲がちぎれて青空がみえ始めた。
広々とした敷地の美術館。岡倉天心の常設展示はそんなに見応えないが、コンパクトと云えば云える。
天心が即興で詠んだという七言絶句、五浦即事(いづらそくじ)。
美術館の庭から。
帰路、友部SAでだるま納豆とともに買ったレモンケーキ。車中では原田芳雄の「愛情砂漠」が耳に残った。