川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

橋場今昔

f:id:guangtailang:20181116111117j:image『加藤嶺夫写真全集 昭和の東京2 台東区』(川本三郎泉麻人 監修 deco)。昭和40年代、今から50年近く前に撮られた写真で、私もまだ生まれていないが、この頁を開いてしばらく眺めていると、あそこかなとめぼしがつく。私が高校生まで育った台東区北東部の風景。物心ついて友人らと駆け廻っていた昭和50年代の終わりには、まだこれらの風景は残っていた。昭和40年代といえば、時まさに日本の高度経済成長期であるが、左の写真などバラック長屋で道も舗装されていない。

平成30年、上の白黒写真、右下の場所に対応する。仕事で廻っている通りすがりにスマホで撮影したので、厳密なアングルまでは考慮していない。f:id:guangtailang:20181116123449j:image上の白黒写真、右上に対応する。正面に見える茶色と緑色のマンションの裏手に隅田川が流れる。f:id:guangtailang:20181116123505j:image上の白黒写真、左に対応する。都営団地が建ったので、バラック長屋は跡形もない。しかし、ここに接した南方のブロック、橋場2-14、2-13一帯の路地は今でも昭和の面影を色濃く残している。父親の記憶によると、昭和40年代にはこの場所に釣り堀があったという。f:id:guangtailang:20181116123519j:image『古地図ライブラリー別冊 切絵図・現代図で歩く 江戸東京散歩』(人文社)より。右下に橋場町の文字がみえる。地図中央の山谷堀は埋め立てられていない。隅田川から猪牙舟(ちょきぶね)でこの水路を下って、吉原に遊びに行ったわけだ。左の黄色い敷地の中が浅草寺嘉永六年(1853)の地図というから、ペリー来航の年か。f:id:guangtailang:20181116132713j:image