川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

蓬平温泉2「パノラマ」

この連休は前半お天気に恵まれ、後半は崩れるという。ぼくが温泉宿の予約を入れたのは一箇月半前だから、当日の天気がどうなるかは懸念事項だったが、幸いにも晴れた。

4月30日、信濃川の西側、国営越後丘陵公園。チューリップが見頃を迎えていた。国営公園といえば、先日、武蔵丘陵森林公園に行って、すぐに帰ったことがあったが、あすこが国営公園の第一号、こちらが北陸地方唯一の国営公園とのことだ。無料撮影を謳い、その写真が極小であるため、結局は1,000円で大きい写真を買うことになるサーヴィスをチューリップ畑でやっており、おっさんの「はい、チューリップまつり!!」という、「はい、チーズ!!」の代用の掛け声が響き渡っていた。

長岡ニュータウン計画の不成功の果てにつくられた越後丘陵公園だが、美しい公園だと思った。後述する展望台から無料園内バスで中心部まで戻ってくるときに臨める、傾斜を活かした広大な芝生の広場にはちょっと見惚れてしまった。ガイドマップによると、このエリアは「健康ゾーン」と呼ばれ、その奥にさらに「里山フィールドミュージアム」がこんもりと控えている。

f:id:guangtailang:20180430215102j:plainf:id:guangtailang:20180430215149j:plainf:id:guangtailang:20180430215301j:plain「雪割草群生地」という標識の立つ脇の散策路を上っていくと、展望台への道に通じていた。けっこう勾配がきついが、樹木の葉が重なり合う気持ちの良い空間だ。額に汗が浮いてくる。20分くらい歩いたろうか、コンクリート造りの立派な展望台が見えてきて、建物の1階ではなく、途中の階層に辿り着いた。なにやらインダストリアルな構造の階段を上っていく。体調は恢復しているはずのHさんだが、階段の連続に、さすがに気の毒な気持ちがぼくに起こった。

階下を覗く。

f:id:guangtailang:20180430215418j:plain展望台(標高230m)からは360度、圧巻のパノラマが楽しめる。森の向こうに長岡の市街。Hさんは階下の屋根付き展望室で休憩している。そちらにはガラス窓に湯沢、小千谷、山古志等、各方角にある地名が示されている。

f:id:guangtailang:20180430215514j:plain丘陵公園を一望。駐車場に入るのを待つ車列まで見える。f:id:guangtailang:20180430215612j:plainf:id:guangtailang:20180430215715j:plain行きは散策路から来たため気づかなかったが、帰りに乗ったエレヴェーターに心躍った。垂直に昇降するのではない、斜めに昇降するのだ。ちょっとケーブルカーのように思ったが、これは斜行エレヴェーターと呼ぶらしい。ハコの内部に座席はない。穴倉に降下していくが、天窓から燦々と光が射して明るい。

f:id:guangtailang:20180430215801j:plainf:id:guangtailang:20180430215909j:plain丘陵公園から程近い、以前、ネット注文したことのあるだんご屋の本店に寄る。串だんごのオブジェが目印。雪国らしく、屋根が付いている。里山の古民家を再生した店舗は趣きがあり、雪の時分にはさらに雰囲気が出そうだが、連休による人混みで立錐の余地もなく、黒光りする梁を渡した2階の喫茶は1時間待ちで、ウェイティングリストと呼ぶらしい紙に名前を記入したのだが、諦めざるを得なかった。長岡駅まで戻って、クルマを返却し(このレンタカー営業所が駅から随分と離れていて、送迎車に乗せてくれるほどなのだ)、駅ビル内にある新潟地産地消のイタリアンレストランで昼飯。筍のピッツァがうまかった。

f:id:guangtailang:20180430220009j:plain再生古民家の裏手。f:id:guangtailang:20180430220354j:plainf:id:guangtailang:20180430220449j:plainf:id:guangtailang:20180430220612j:plain笹だんご10個。f:id:guangtailang:20180430220751j:plain