昼。辞書みたいに厚いから重くて嵩張るのに、読み始めたら止まらなくなって事務所にまで持ち込んだ『名誉と恍惚』(松浦寿輝著・新潮社)。221頁を読み進めているが、765まで頁が振ってある。まあ時間はかかるにしても苦労とか忍耐とは無縁に読了できるだろう。装幀もかっこいいし(“本のテクスチャー”という概念を思い出させてくれる)、大枚叩いて買った甲斐は十分にある。魔都上海を堪能したい。
夜。同業の先輩と呑んだ帰り道、路面が濡れている上に片手に傘の柄を握っていたのもあるが、自転車に跨って大通りで信号待ちをしていてよろめいた。むん、と踏ん張って、危ない、おれは酔っているのか、いや、そんなに呑んだわけじゃない、平気だ。試しにスマホでブレずにちゃんと撮れるかどうか試してやろう。うん、ブレていない、横断歩道のゼブラ模様も明瞭に浮き出ている、大丈夫だ。裏通りをゆっくり漕いで帰ろう。