川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

久々の小説

f:id:guangtailang:20170923234939j:plain久々に読書した。それも小説を。装幀と題名が好みだったから。第157回芥川賞受賞作だという。単行本で100頁にも満たないのですぐ読める。まあまあの中編小説をひとつ読んだなという感じ。文章はうまく、38の年齢のわりに燻し銀の趣き。魚釣りや日浅の人となり(徐々に語り手が思っているような人間でないことがわかってくる)の描写など精彩あるが、全体の印象は淡く、読後に残るものがあまりない。最後の方に出てくる影裏、とってつけたよう。