川の照り

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

映画

融通無碍

10日。冷たい雨。今日に限っては東京がモスクワより寒いという。最近は川沿いをウオーキングすることもなくなり、日活(にっかつ)ロマンポルノばかり視聴しているから、「川の照り」というよりも「ロマンポルノに照り濡れて」といった様相なのだが、そもそ…

窃視と奔放

日活(にっかつ)ロマンポルノ、『のぞき』(1983・監督 武田一成)をFANZA動画で。狭山が舞台のへんてこなファミリーピーピングストーリー。【以下、ネタバレあり。役名では呼ばず、俳優の名で呼んでいます】 茶畑の中を走るタクシー。井上麻衣が彼氏を振っ…

キャンパス・エロチカ

5日。今夜も日活ロマンポルノ、『キャンパス・エロチカ 熟れて開く』(1976・監督 武田一成)をFANZA動画で。戯画化されているにせよ、ぼくの生年のキャンパスライフはこのようであったか。FANZAのレビューで、「時代を感じる作品で、若い私には付いていけま…

コケティッシュ

日活ロマンポルノ、『欲情の季節 蜜をぬる18才』(1973・監督 武田一成)をFANZA動画で。昨晩、自室を暗くしてこれを観ていると不意に気配を感じ、振り返るとHさんがいてにやにやしている。普段、彼女はスリッパを履いているので、ぺたぺたという音で居場所…

カーフェリー

日活ロマンポルノ 、『ザ・コールガール 情痴の檻』(1977・監督 林功)。ロマンポルノはたいてい60分〜70分台の長さだからサクッと観られる。これは凡作だった。【以下、ネタバレあり。役名では呼ばず、俳優の名で呼んでいます】 現在は東京湾アクアライン…

シャープな顔で押入に隠れる

今日、新元号が令和であると発表された。日活ロマンポルノ、『夫婦秘戯くらべ』(1976・監督 武田一成)をFANZA動画で。【以下、ネタバレあり。役名では呼ばず、俳優の名で呼んでいます】 冒頭、中丸信が新宿の雑踏で夫婦円満の秘訣についてインタヴューして…

オリオンの殺意より

夜な夜なロマンポルノを物色する壮年。聞くところによるとロマンポルノ10本のうち、秀作の割合は1本あるかないかだそうで、このミステリータッチの作はその1割以下に含まれるとされている。『オリオンの殺意より 情事の方程式』(1978・監督 根岸吉太郎)をF…

階層

ロマンポルノの秀作として名高い『狂った果実』(1981・監督 根岸吉太郎)をFANZA動画で。ロマンポルノの1本とはいえ、ここにはロマンもポルノも希薄である。代わりに峻烈なリアリズムが色濃く、男女のあいだの階層の違いによって凄惨な結末をもたらす。正直…

フォクシー

夜。なんとなく風祭ゆきさんがみたくなって日活ロマンポルノ 、『恥辱の部屋』(1982・監督 武田一成)をFANZA動画で。タイトルから想像するほどハードな内容じゃなく、わりとほのぼのしてコメディタッチである。終盤、風祭さんがいつまで狐と狸の化かし合い…

マゾヒスト

午後12時45分。TOHOシネマズ錦糸町 楽天地で『運び屋』(2018・監督/主演 クリント・イーストウッド)。比較的小さなハコだったが座席はほぼ満員で、老若男女上は70代の夫婦から下は制服姿の高校生まで来ていた。昭和が匂う前の楽天地でこんな入りはみたこと…

勿来

15日夜。日活ロマンポルノ 、『ひと夏の秘密』(1979・監督 武田一成)をFANZA動画で。これはミステリ仕立てで、10分に1回濡れ場があればアクションだろうがサスペンスだろうがコメディだろうがジャンル不問だったロマンポルノの佳作の1本。【以下、ネタバレ…

いつか『思い出のマーニー』の中文を思い出してきっと泣いてしまう

我非常喜欢北海道。虽然那里没有我的亲朋好友,但是我已经去了十多次了。一般我坐飞机去,但是上大学的时候我有时间,所以也坐船去过。一提到北海道马上就让我想起,北海道清爽的空气、笔直的街道。最近我看了由吉卜力工作室制作的电影叫『回忆的玛妮』。这…

闇に抱かれて

日活ロマンポルノ、『闇に抱かれて』(1982・監督 武田一成)をFANZA動画で。【以下、ネタバレあり。役名では呼ばず、俳優の名で呼んでいます】 冒頭、風祭ゆきが無邪気にゲームセンターで遊んでいる。瓦割りゲームやレーシングゲーム、パンチングゲーム。華…

やどなし

『無宿(やどなし)』(1974・監督 斉藤耕一〔斎ではなく斉になっている〕)をDVDで。昭和12年に時代設定されている。西暦でいえば1937年で日中戦争の始まる年だ。劇中にも軍隊の影が少しだけ出てくる。調べてみると『冒険者たち』(1967・監督 ロベール・ア…

ポロポロだよ

日活ロマンポルノ、『おんなの細道 濡れた海峡』(1980・監督 武田一成)をDVDで。 【以下、ネタバレあり。役名で呼ばず、俳優の名で呼んでいます】 冒頭、ストリッパーの山口美也子と朴訥とした三上寛が列車で盛岡に向かっている。山口の夫でストリップ小屋…

津軽じょんがら節

先月19日の雑記の最後に観なければと書いた『津軽じょんがら節』(1973・監督 斎藤耕一)をDVDで。深夜皆が寝静まっている時間帯に観たが、外で雨がしとしと降る音を搔き消すように津軽三味線がびゃんびゃんと響き渡る。 もうね、冒頭のこの画で圧倒されてし…

灰青色の街

日照重慶(2010・邦題 重慶ブルース・監督 王小帥)を日本版がなかったので大陸版DVDで。日照というのは日が差すとか、太陽に関係することかと最初思ったのだ。重慶などの内陸地域は日照時間が少ないと聞いたことがあって、それで余計にそういう連想になった…

陋巷

最近、ひょんなことから立派なキャビネットを譲り受け、事務所の2階に置くこととなった。整理した書類を内部に収納し終え、遠目に眺めていると、キャビネットの上が少し寂しい。何か飾ろうとごそごそやっていると、父親が昔に中国のどこかで買ってきたらしい…

70年代後半日本映画

斎藤耕一の『凍河』(1976)、『季節風』(1977)をDVDで観直す。両方ともメランコリックで暗いトーンが全編を覆っている。内向的ともいえる。1970年代後半といえば、1972年のあさま山荘事件で「政治の季節」が終息し、80年代の消費社会ないしサブカルチャー…

屹立

『江戸川乱歩の美女シリーズ5 江戸川乱歩「暗黒星」より 黒水仙の美女』を観直す。本作は1978年10月14日に、テレビ朝日系「土曜ワイド劇場」枠で放映された。去年の10月に亡くなられた江波杏子さんの終盤の怪演が忘れがたいのだが、ドラマとしてもシリーズ屈…

摇啊摇, 摇到外婆桥

『上海ルージュ』(1995 原題『摇啊摇, 摇到外婆桥』)をDVDで。上海ルージュって、この映画観終わってもわかったようなわからないような邦題だな。鞏俐が真っ赤な口紅を引くからか。原題は、揺られ揺られて、おばあちゃんの橋まで、というわらべ歌から取ら…

セクシー・ダイナマイト・アクション

晴天。冬の天気は安定している。昨日もゆりかもめを台場駅で降りると、例の自由の女神像の立つ広場やレインボーブリッジの背景は、涙ぐましいブルーの空だった。 裸でシャワーを浴び、蟻の門渡りにベビーパウダーを叩き込むと、午後2時半過ぎに外出。福建喫…

『任逍遥』

この映画が日本で公開されたのは2003年2月というから、もう15年経った。あの時はまだビルの外階段を上った2階のユーロスペースで観たのだ。僕は27歳で、働いてはいたが、働くことに屈託を覚えていた。 DVDも所持しているので、現在に至るまでに2回くらいはそ…

「辺境からの手紙」

ドゥニ・ヴィルヌーヴ『灼熱の魂』(2010)を東京芸術センターのブルースタジオで。金曜日の午後7時。観客は私を含めて3人。この館に来るのは、アピチャートポン・ウィーラセータクン『ブンミおじさんの森』(2010)以来だが、あの時も観客は3人だった。1,00…

切なさとだらしなさと

午後から晴れた。が、またぞろ台風が発生したらしく、その14号ヤギの進路が、僕が飛行機に乗る日まさにその空域を目指しているようなあんばいなのだ。困ったなあ。 会社をやめた恵子(山口百恵)が友人と不倫する元上司の岩淵(津川雅彦)に、「家庭にお戻り…

『傾城之戀』

アン・ホイ(許鞍華)監督の『傾城之戀』(1984/98分)は、原作にかなり忠実につくられている。グラスの底に密林がみえる。レパルスベイ(浅水湾)ホテルの朝食。この後、流蘇が上海に戻ると言い出す。雨のレパルスベイ・ホテル。漂うふたり。香港に戻ってく…

剛い髭ときつね目

高温多湿の夜。冷房は点けずに部屋を暗くし、道東の原野が吹雪く、真逆の季節の映画を、パンツ一丁で観る。『きつね』(仲倉重郎監督/1983/104分)。じっとり汗をかく。 主演は、私はあまり知らないのだが、両親の世代は皆知っているミュージシャンの岡林信…

浮遊感覚

《藤田敏八略歴》(KINENOTEより) 「【同時代の空気を青春映画に刻み込む】朝鮮・平壌で生まれ育ち、終戦とともに三重県に引き揚げる。東京大学仏文科在学中は演劇活動に熱中し、俳優座養成所にも通った。本名は繁夫で、1968年までは“藤田繁矢”名義で脚本・…

『それから』

日中は陽が出たり曇ったりを繰り返していたが、午後5時を合図に凄まじい驟雨があった。映画どうしようかなと一瞬迷ったのだが、30分ほどすると雨は完全に止んだ。 ホン・サンス『それから』(2017/91分)をヒューマントラストシネマ有楽町で。何年か前にこの…

青梅竹馬

退勤後、地元駅前の回転寿司屋でHさんと落ち合う。今日はすんなりとテーブル席に通される。彼女は午後いっぱいかけて、新大久保で髪型を変えてきた。先だって日曜日の夜、この寿司屋に来たときは178番の票を取らされ、163番あたりから進みが妙に遅かったので…