川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

陋巷

最近、ひょんなことから立派なキャビネットを譲り受け、事務所の2階に置くこととなった。整理した書類を内部に収納し終え、遠目に眺めていると、キャビネットの上が少し寂しい。何か飾ろうとごそごそやっていると、父親が昔に中国のどこかで買ってきたらしい…

鶴岡の酒

遅い昼食。ランチメニューではない黒酢酢豚を注文。880円。黒ずんだ塊が出てくる。心が浮き立ち、やっぱりおれはこれが好きなんだなあと思う。手前は豚肉だが、奥は長芋で、マッシブな食感としゃきしゃきした食感を両方楽しめる。ご飯の量は少なめにした。70…

70年代後半日本映画

斎藤耕一の『凍河』(1976)、『季節風』(1977)をDVDで観直す。両方ともメランコリックで暗いトーンが全編を覆っている。内向的ともいえる。1970年代後半といえば、1972年のあさま山荘事件で「政治の季節」が終息し、80年代の消費社会ないしサブカルチャー…

紹興酒を飲む夜

昨日から目が痒い。今年も到来したか。 昼飯、ムース―ロウ定食。僕の座った左横の貼り紙をみると、この店は紹興酒を推しているようだ。店名にもつけるだけのことはある。服務員の女性に儿話音はないと思しい。 今どうなのだろう、紹興酒の地元紹興市の伝統で…

凍る松花江

僕もあのビンチーリンが懐かしいのですが、昨今、南方との縁分が深くなったため、ハイリービンにする次第です。と、つい朋友に送ってしまったのだが、これは本当です。ああ、ハルピンに赴きたい。趣きがあるから。そんな気持ちがムクムクと湧いて、困るです…

屹立

『江戸川乱歩の美女シリーズ5 江戸川乱歩「暗黒星」より 黒水仙の美女』を観直す。本作は1978年10月14日に、テレビ朝日系「土曜ワイド劇場」枠で放映された。去年の10月に亡くなられた江波杏子さんの終盤の怪演が忘れがたいのだが、ドラマとしてもシリーズ屈…

消された電灯

福建喫茶は今月26日まで休業している。春節時期に一時帰国したのか、今月の2週目に紙ぺらがシャッターに貼られていた。微信で送った新年の挨拶に返事はない。 それで新規開拓、バス停の真ん前のマンション1階に構えて、奥まった入口が待ち人の雨宿りの場とし…

塔と歳月

気分がくさくさするので、もう昼が近かったが、神栖までいちにんでドライブ。天気はいい。 Hさんが当初、ある問題をさも重大事のように云い募るから、こちらも彼女の気が済むように行動を起こした。それで時間が経過し、依然問題は解消に至っていないので、…

高楞の窓辺

4年前の今日。ハルピン市街地から東に236km、方正県そばの高楞(ガオルァン)という町に、小生はいた。この年の春節は1月31日に始まったようだから、15日には終わっていたが、正月気分はまだ残っていたし、当時のXの父親は退職していたので四六時中家にいた…

河口湖

12日、晴天。 昨日、あまり考えもせず、ホテルの駐車場の日陰に駐車したのだが、午前9時45分、出発しようとするとフロントグラスが霜で曇り、ボディも薄く凍結していた。周囲を見渡すと、ほとんどのクルマが日向の方に駐まっている。普段、寒冷地で生活して…

山中湖

11日。朝、東京は雪が降っていた。午前10時に山中湖へ向け、出発。往路は東名を使う。雪はすぐに止んだが曇天で、富士山を臨める場所まで来ても、手前に雲が湧いていて部分的にしかみえない。1日だいたいそうであった。だから下の富士山は12日の朝に撮ったや…

摇啊摇, 摇到外婆桥

『上海ルージュ』(1995 原題『摇啊摇, 摇到外婆桥』)をDVDで。上海ルージュって、この映画観終わってもわかったようなわからないような邦題だな。鞏俐が真っ赤な口紅を引くからか。原題は、揺られ揺られて、おばあちゃんの橋まで、というわらべ歌から取ら…

燦という名の小狗

実家の前でマンション建設の大工事をやっており、音と振動が凄まじい。それで小狗がストレスのため、留守番のあいだに家の中を破壊してしまう。たしかに一匹ぼっちの時にガリガリ、ドスンドスンやられたら、事情が呑み込めないだけ余計に恐怖だろう。症状に…

地瓜丸、または番薯丸

2日、夕刻。地下鉄上野駅から京成上野駅へと繫がる長い通路。どことなく黒ずんだ空間は昭和の通路の趣きを残している。といって京成上野駅は現在、平成最後のリニューアル工事をやっているのだが。歩くひとびとも寡黙に靴音を響かせるのみだ。 喫茶室白樺の…

中国結び飾り

気がついたら2月か。福建喫茶にこれだけ通っていると、だんだんママの事情にも通じてくる。微信で繋がってモーメンツもみられるからなおさらだ。それはそれとして、彼女は午前11時半より前には店にいないことが多い。代わりにというか、50絡みの中国人の男が…