川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

浮遊感覚

《藤田敏八略歴》(KINENOTEより) 「【同時代の空気を青春映画に刻み込む】朝鮮・平壌で生まれ育ち、終戦とともに三重県に引き揚げる。東京大学仏文科在学中は演劇活動に熱中し、俳優座養成所にも通った。本名は繁夫で、1968年までは“藤田繁矢”名義で脚本・…

批難

今朝、玄関のドアを開けた瞬間、熱気を含んだ風に纏わりつかれて、中庭には光が降り注ぎ、東京、梅雨明けた!?と感覚した。まだ6月だのに。水不足が憂慮されるな。 門外漢ながら。昨晩の日本対ポーランド戦の後半残り10分強の緩慢且つ消極的なプレーに、海…

極東で禿げる。

1箇月前倒しの気候とも言われているが、湿気を含んだ強風に髪をなぶられながら、おれは去年の夏に行った飯田の天竜舟下りを思い出していた。あの時、安曇野滞在中はどしゃぶりの雨だったが、高速をしばらく走っているうちに雨は止み、伊那の辺りからは青空の…

情緒

早起きしたHさんがスマホで中国のポップスを流しながら家事などしていて、僕はとろんとしつつ寝床でそれを聴きながら、いいなと思うことがある。こういうのが中華系の「情緒」なんだよなあ、と。ジャ・ジャンク―の映画なんかでも台湾や香港のポップスが巧み…

場違い

雨上がりの上野を歩き、中国料理店へ。ここでHさんの仕事仲間Lさんと待ち合わせ。3人で昼飯。Lさんは常連らしく、彼女がささっと注文して、出てきたものを食べる。長春出身で標準的な普通話を喋り、また鈴を転がすような声なので、個人的にびんびんくる。 辣…

7月、玄界灘へ

詩の翻訳、といっても漢字を共有しているので、中文の詩だけみせられてとしても、簡体字とはいえ、なんとなくイメージが浮かびます。 僕は根気に欠けるから、定点観測の撮影はできないけれど、その行為自体には非常に関心を持っています。それらの中に定着さ…

九州

仕事の関係でウィークデイを北九州で過ごしている友人がいるが、彼がこちらに帰ってこない週末に行った呼子のイカをたびたび絶讃しており、私は最近俄かにそのことが気になり始めた。その友人SPはじめ呼子のイカの活き造りを食べた人は皆、その透明さ、新…

行先変更

当初、埼玉の日高市にあるサイボクハムに行く予定だったが、日曜日の早朝、まだ仰臥している状態のHさんが、今日はあの肉の専門店には行きません、と言い出した。オート三輪が路辺の石に乗り上げて転倒し、腰を痛めて入院中の母を見舞いに、私はもうすぐ中…

ひとの基底

土曜日の午後。肌寒く、いつ降ってきてもおかしくない空模様。23区西部に住むK夫妻と丸千葉。この名店の誉れ高い居酒屋は僕の地元にあり、ふたりはわざわざ足を運んだかたち。といって、夫妻はもとより僕も暖簾をくぐるのは初めてなのだ。Kたっての希望で…

雨なので

梅雨らしい天気。雨なので、キャンセルが1件ありました。 昨夜9時頃の隅田川沿いは涼しく、風に乗ってクチナシの甘い香りが運ばれてきます。ウレタン敷きのジョギングコースをずっと歩いていくと、終点の辺りにスキンヘッドの白人が仁王立ちしており、まだ…

『それから』

日中は陽が出たり曇ったりを繰り返していたが、午後5時を合図に凄まじい驟雨があった。映画どうしようかなと一瞬迷ったのだが、30分ほどすると雨は完全に止んだ。 ホン・サンス『それから』(2017/91分)をヒューマントラストシネマ有楽町で。何年か前にこの…

昨晩の事件

そぼ降る雨の中、上野の新会所へ。皆が1品か2品つくって料理を持ち寄る会。Hさんも鸡胗 (鶏の砂肝)と黄瓜拌香菜(きゅうりとシャンツァイのピリ辛和え)を持って行く。おれはタダ飯を食べに行くだけの気楽な身分である。走り廻っている未就学児も含めれば…

青梅竹馬

退勤後、地元駅前の回転寿司屋でHさんと落ち合う。今日はすんなりとテーブル席に通される。彼女は午後いっぱいかけて、新大久保で髪型を変えてきた。先だって日曜日の夜、この寿司屋に来たときは178番の票を取らされ、163番あたりから進みが妙に遅かったので…

橋の上

隅田川に架かる橋の上から。左側のマンション群が荒川区の「新しい街」、右側の高速高架が墨田区の鐘ヶ淵辺り。 この一帯のランドマーク、3つの丸いガスタンク。 永井荷風の『断腸亭日乗』 1937(昭和12)年7月7日の日記にも出てくるという。 「裏手の屋根上…

小田原文学館、のち下曽我

www2.nhk.or.jp 小田原文学館を庭側から。海に近い静かな住宅街の中にこじんまりとある。元々は土佐藩郷士で、明治維新後は警視総監や宮内大臣を歴任した伯爵田中光顕の別邸として建てられた。 入口側から。 1階サンルーム。 3階休憩室。 3階テラスからの眺…

涼菓

私の好物、若あゆ。外側のカステラ生地と中身の求肥の組み合わせ、かたち、そして目と鰭の簡素な焼印がすぅき。 今日の午前中、川沿いの土手を自転車で走っていると、あたかも高原の夏のような爽やかな空気を感覚して、気持ち良さに思わず目をつむった。この…