川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

テンソク

晩飯を食べている時、昔、中国に纏足という奇習があったですよねと向かいの女に振ってみた。相手は何のことかわからない様子で、箸のあいだに肉のかけらを挟んだ。こちらもテンソクの中文発話がわからないから、ジャオ(脚 jiǎo)の指をこうして内側に折り曲げて、と手を使って、トットットッと何歩か不自由そうに歩く素振りで説明するとすぐにわかったようだ。肉のかけらをもぐもぐしながら、勿論知っているというように表情が活気づいた。以前、上海に遊びに行った時、导游の奶奶だかが纏足をしていたらしくて、この奇習についていろいろ教えてくれたんだ、でもその時はあんまりちゃんと聞いてなかった。蘇州の拙政園にも行ったんだったな。それは昔の話よ、今はもう全然やっていない。知ってるよ。あれをやることによって女性としての性的魅力が高まったとか、或いは走れなくして男のもとから簡単に逃げ出せないようにしたとか、そうゆう説があるらしいね。とにかく足が小さければ小さいほど良かったんでしょ、男的玩具かな。この言い方は妙にウケた。きみのジャオは24.5cmだから、昔、すごいジャオの大きい女いるです、男に人気ないだねと言うと、これもウケた。缠足はチャンズゥ (chánzú)とあるが、女に言わせると、シャオジャオ(小脚 xiǎojiǎo)と呼ぶという。そのまんまじゃないか。

f:id:guangtailang:20200508194036j:imagef:id:guangtailang:20200508194044j:imageアラブ首長国連邦UAE)のデーツ。これがねっとりとして美味。

f:id:guangtailang:20200508194054j:image昼飯。