川の照り

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

サキ、導かれて

『妖精の部屋 天使が濡れるとき』(1977・加藤彰)をFANZA動画で。下に見るようにタイトルに相違があります。ソフト化する際に変更があったようです。内容的に「16歳」じゃ、ちょっとマズかったのかも知れません。現在なら無論アウトなんでしょう。だからということか、主演の早瀬しおりは正統派の美少女なのにこれ1作の他、名前が出てきません。ちょっと残念です。【以下、ネタバレあり】

まずは以下に引用した2種のあらすじをご一読下さい。

北アルプス連峰のふもとの村に、東野サキは父・幸治と年老いた家政婦の三人で住んでいた。サキは週末になるとスペイン語を習うため東京の外国語学校へ出かけ、夜は父の知人の画家・草薙の家に泊まっていた。ある日曜日にサキは、別れた母・加代の居所を草薙から聞き出し、彼女の経営するバーへ向かった。驚きの表情で迎えた加代は、美しく成長したサキの姿に感慨深げであった。そこへ、加代と深い仲の徳田が入って来る。その晩三人は加代の店に泊った。そこでサキは、加代と徳田の愛し合う姿を見て、強い衝撃をうける。数日後、サキは加代の店のバーテン・佐々木と愛し合った。日増しに美しくなるサキに、加代は意外な事実を知らせる。サキは加代と草薙との間にできた子供だったのである。幸治はサキを実子として育てていた。サキが家に帰ると、徳田をナイフで刺し、逃げて来ていた。そんな幸治を、加代は軽蔑しているから何でも許すのだと言い残すと、寂しげにサキの前から姿を消した。それからもサキは明るくふるまった。サキは身も心も大人に成長していたが、大人達の葛藤を見るにつけ、より無邪気にふるまった。その姿は少女らしく、妖精のように美しかった。

FANZA動画から引用しましたが、映画.COMやMovie Walkerでも同様の文章を使用しています。つづいて、これ。

性を知って・・・愛を知って・・・悪魔のような身体が大人の情熱を求める!
純真無垢な幼い少女が、甘美なレズの世界、
そして真の性に導かれてゆく様を美しい映像で追求したムーディーなソフト・エロス。
父・幸治と年老いた家政婦の三人で北アルプスふもとに暮らす16歳の東野サキ(早瀬しおり)。サキは週末になるとスペイン語を習いに東京の外国語学校へ出かけ、夜は父の知人の画家・草薙(草薙幸二郎)の家に泊まっていた。ある日にサキは、幸治と別れた母・加代経営するバーを草薙から聞き出し、店へと向かう。久しぶりの再会に驚く加代だったが店へ、加代の愛人、徳田が入って来る。常連の美穂子、徳田、サキの三人は加代の店に泊ることになる。夜中に変な声で目を覚ましたサキは、徳田が加代にのしかかり、ずいと差し込む姿を見て身体に疼きを覚える。次の週末、サキは美穂子に誘われ停泊する外国船を訪れた。そこで美穂子はサキを優しく抱きしめ、驚くサキに恐がることはないと諭し、そのまま舌を身体中にはわせ、初めての快感に脱力したサキにレズテクニックを存分にふるうのだった。数日後、サキは加代の店のバーテン・佐々木を誘惑し、処女を捧げる。既に美穂子によって開発されていた身体は佐々木の怒張もすんなりと受け入れるのだった。充実した性生活を送るサキに、加代はサキは自分と草薙との間にできた子供であることを告げる。サキが家に戻ると、徳田をナイフで刺した加代が逃げて来ていた。そんな幸治を軽蔑していると言い残し、加代はサキの前から姿を消した。それからのサキは、幸治がサキの出生の秘密を語ろうとしてもあえて聞こうとはせず、無邪気にふるまっていたが、その身体は既に大人の快感を知っているのだった。

これはAmazonの本作DVD「商品の説明」から引用しました。最初のものと比較した場合、わたしはこちらの方が好みです。官能小説じみた言葉使いもさることながら、物語の肝心な部分をちゃんと押さえているから。逆に最初のもの(以下、①と呼び、官能小説じみた方を②と呼びます)はそれを書き落としています。すなわち、①においてはサキが母親の店に泊まる際、宮井えりなさん演じる美穂子の存在が書かれていない。どころか、以後も美穂子が出てこない。これは本作の説明としては甚だ手落ちと言わざるを得ません。なんとなれば、サキは美穂子の手ほどきを受けることによって、性に開眼してゆくのですから。②にはそのことがちゃんと書いてあります。サキと性の伝道師たる美穂子の関係が描かれなければ、この映画の魅力は半減するといってもよいのです。

f:id:guangtailang:20200422222612p:plain東京での極彩色の日々に信州の色の少ない引き締まった自然を対比させたかったのかもしれないが、信州がちょっと紋切型に終わったような気もする。

f:id:guangtailang:20200422222650p:plain正統派の美少女である。現代の40数人のアイドルグループにいたとしても、頭角をあらわすんじゃないか。後半、髪型がもっさりしてしまうのが惜しい。

f:id:guangtailang:20200422222740p:plain「そこで美穂子はサキを優しく抱きしめ、驚くサキに恐がることはないと諭し、そのまま舌を身体中にはわせ、初めての快感に脱力したサキにレズテクニックを存分にふるうのだった」

f:id:guangtailang:20200422222828p:plainバーテンの佐々木は錆堂連さんが演じているが、この人は喋り方や雰囲気がセクシーだ。それに徳田を演じる鶴岡修さんもロマンポルノの男優として個人的にお気に入りで、ふたりがバーで切り結ぶのは良かった。

f:id:guangtailang:20200422222857p:plainサキの処女を奪ったあと、明け方、タバコをくゆらせながらカーテン越しに横浜の港を眺めても絵になる。

f:id:guangtailang:20200422222942p:plainサキの出生の秘密について話し合う重苦しい大人ふたり。

f:id:guangtailang:20200422223014p:plain埠頭で戯れる女ふたり。ゴージャスなクルマを乗り回す。サキの美穂子に対する信頼が感じられる。

f:id:guangtailang:20200422223105p:plain徳田を見舞う。彼の減らず口に怒ったサキは刺された場所をぐりぐりやる。のたうち回る徳田。なんとなく『スローなブギにしてくれ』を思い出した。

f:id:guangtailang:20200422223145p:plain性に開眼し、少女から女に変わってゆくとして、同時に大人たちのだらしなさ、汚らしさ、爛れた交際もわかってくる。そんな中、育ての親の幸治は厳しい信州の自然と対峙していた。それを家の窓から見下ろすサキ。しかし、最後の祭りのシーンはちょっとなんて言ったらいいか困るです。