川の照り

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

神社、百穴、聖天宮

21日、快晴。友人Jと以前から約束していた奥秩父三峯神社(みつみねじんじゃ)、吉見百穴(よしみひゃくあな)、聖天宮(せいてんきゅう)へ。新型コロナウイルスが欧州を席捲しており、彼の地の諸国はどこも厳戒態勢だが、時を同じくして日本はなにやら「コロナ疲れ」で、自粛ムードも希薄となっている。桜が開花したのもあるだろうが、この連休、どこへ行ってもかなりの人出があった。かくいうわれわれもその中の一員なのだった。

f:id:guangtailang:20200322113156j:imageJの愛車ジムニー(彼はそれをティエトウ〔鉄頭〕と名づけているので、以後そう呼びます)がジャングルグリーンのボディを朝陽に輝かせながら荻窪駅南口に停まる。午前7時過ぎ、出発。

関東屈指のパワースポットとも言われる三峯神社は山の中である。関越道を降りると、林道やダムの縁(へり)を走り、1時間半を要す。神社の駐車場までバスも通っているが、秘境感が醸し出される。

f:id:guangtailang:20200322114618j:image筋肉質の山犬さま(オオカミ)が守護する三ツ鳥居。標高1,102m。

f:id:guangtailang:20200322113445j:plain随身門があらわれると、その迫力におおっとわれわれは声を漏らした。涼しい風が吹き抜ける。

f:id:guangtailang:20200322130412j:image参拝の列に並ぶこと10数分。わりかしスムーズに進んだが、われわれが氣守りを購入し、友人が御朱印を頂いた頃には長蛇の列となっていた。今回の小旅行中、不思議に行列や渋滞に巻き込まれることがなかったが、あと20分われわれの行動が遅れていたら違ったなと思う場面が2度か8度あった。

f:id:guangtailang:20200322113451j:image名物、ワラジカツ丼。「ほんまにちょっと足小さい人くらいあるな」とJが言うように、どんぶりからはみ出している。これでかなり満腹となった。食堂の窓からはくっきり浮き上がった山並みが見渡せる。

f:id:guangtailang:20200322114634j:image僕がリクエストして、ビジターセンターに寄る。そこには野生動物の剝製が数十体もあり、なおかつ触ってもよいとのことで、この手のものが大好きなJも大喜びだ。ふたりしてツキノワグマや二ホンジカ、ホンドキツネ、ハクビシンの毛並みを撫ぜ廻る。エゾジカの角が立派なのを見て、鹿島アントラーズやベルクマンの法則の話をする。

f:id:guangtailang:20200322113433j:image手前に秩父山岳地帯のジオラマ。奥に剝製群。人気は少ない。皆、神社を参拝し、飯を食い、そのまま駐車場に向かってしまうのだろう。

f:id:guangtailang:20200322113458j:image緑色の湖面を湛えたダムの縁を走る。来た道を戻っている。

f:id:guangtailang:20200322113420j:image離合できないダムの縁上を走る。車内のBGMは日食なつこから玉置浩二へ。

f:id:guangtailang:20200322113929j:image三峯神社から吉見百穴まではたぶん80kmくらいあるんじゃないか。Jはタクシードライバーのような白手袋を装着し、苦にもせずティエトウを駆る。お疲れ様です。

変哲もない住宅街を抜け、小さな川を渡ると、不意にあらわれる百穴。

f:id:guangtailang:20200322113922j:image百穴の中腹から臨む。6月みたいな陽気。

f:id:guangtailang:20200322113913j:image今回の壮年ふたり。Jの奥様のLINEに送ったところ、「なんだかもぬっとしているね」というスタンプを頂く。

f:id:guangtailang:20200322114846j:image百穴から聖天宮はクルマで20分の距離だ。どちらかに行かれる方は、ついでにセットにされるとよいと思う。まあ、好みの問題もあろうが。

送電鉄塔の連なる平野を走っていると、忽然と派手な装飾を施した道教寺院の屋根が見えてくる。龍、龍、龍…

f:id:guangtailang:20200322114855j:image絢爛たる装飾。とにかく龍がこれでもかと施されている。一歩、内部に足を踏み入れれば、そこは台湾だ。コスプレイヤーも撮影を行っている。

f:id:guangtailang:20200322114812j:image石から龍が掘り出される。

f:id:guangtailang:20200322114800j:image台湾の宮大工が15年の歳月をかけて建造したという。昭和56年に着工し、開廟したのが平成7年。わりかし新しいのだ。

f:id:guangtailang:20200322114825j:image午後3時、陽の鐘楼の鐘が鳴る。

f:id:guangtailang:20200322114818j:image時を同じくして陰の鐘楼では太鼓が鳴る。

f:id:guangtailang:20200322114834j:image台湾の飲料を売る自販機があった。豆乳の飲料を買ってみる。わりかし甘みがあるが、さわやかに飲める。ちなみに燕の巣ドリンクは800円。

f:id:guangtailang:20200322114752j:imageおみくじをやる。説明文に拠ると、一礼ののち、くじ棒を引き、番号を念じながら陰・陽の文字が裏表に書かれたふたつの木片を投げ落とすのだが、陰・陰で神様に笑われたり、陽・陽で神様がお怒りになったり、陰・陽がビャッと出ず、なかなかおみくじを引く許可が下りない。2回か8回やり直す。中吉。

f:id:guangtailang:20200322114851j:image帰路、川越を通ると相変わらずもの凄い人出だった。Jが壮年の男ふたりで遊んでよい場所はなかなかないと言う。たしかに世間一般の目というものがあり、たとえば遊園地や水族館、プラネタリウム、いちご狩り、ボート漕ぎなど、いわゆるデートコースは気味悪がられるのだろう。にもかかわらず、われわれはどこにだって行けると思っているのだ(ふたりで夏の動物園に遊んだことがある)。 

Jの家にティエトウを置き、新宿へ。そして、Sと合流し、居酒屋。雑踏の人出は川越をもはるかに凌駕していた。さすがに、日本大丈夫なのかという思いが脳裡を掠めたが、他方で皆、いつ終息するとも知れないコロナに倦む時間を通過してこうなのだろうとも考えた。

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