川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

黒い零食

f:id:guangtailang:20200126210438j:image25日。仕事終わりに北千住の大箱喫茶。スーパーフラットじみた黄色いキャラクター人形を店先に置き、サンローゼ時代の澀みや豪奢は後退したが、それでも店内ほとんどの席が埋まっている。相変わらず地元の老人たちの憩いの場であるのも微笑ましい。柱を囲んだこのいちにん席の丸テーブルも豪奢。

新型肺炎の勢いはとどまるところを知らない。微信でいろいろ情報を得たらしく、Hさんも本格的にびびり始めた。さらには大陸の息子の結婚式を心配している。3月中旬だから、とりあえずは事の成り行きを注視するしかないなどと日本人らしいことを言ってみる。諸曁は向こうの尺度でいえば決して大きな城市ではないが、感染者が入って来ないとは勿論断言できない。すでに浙江省内では相当数の感染者が確認されているわけだし。春節の時期ともろにバッティングしたのは実に皮肉だが、こうなってくると招かれざる客のように言われる武漢人が気の毒だな。晩に口罩を買いに行くとHさん。

f:id:guangtailang:20200126210826j:image26日。夕刻に私の両親が鍋を食いに来るのでその買い出し。横を歩くHさんは生まれて初めて口罩をしたという。帰宅し、テレビを点けるとすでに神戸製鋼サントリーの試合が始まっていた。階下で飯の準備をするHさん、寝室で横臥し鼻をほじりながらラグビーを観る壮年。当然に罵られてしまう。白熱した試合だった。

f:id:guangtailang:20200126211046j:imagef:id:guangtailang:20200126211105j:imagef:id:guangtailang:20200130205033j:imageHさんからもらった橄榄すなわちオリーブの実をなにかしら加工した黒い零食。動物の糞にも似る。独特のひねりを加えた包装紙である。あまじょっぱく、私は好むが、大陸の男はあまり食べないらしい。

f:id:guangtailang:20200126211132j:imageどら焼きを好むHさんは母親の持ってきたケーキをほとんど食べず、やや落胆させてしまう。しかし、いくらどら焼きを好いても龜十の列に並ぶのおれはいやだよ。松風だけ買うなら並ばなくていいんだっけ。