川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

或る土曜

午後2時。仕事を切り上げ、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019・監督 マイケル・ドハティ)を観るためTOHOシネマズ錦糸町楽天地に向かう。しばらく工事をしていたが、曳舟駅が小綺麗になって新しいテナントがいくつか入っている。たとえば大阪王将など。きょろきょろしていると、物件を内見しに来た女と不動産屋の男がビルの階段を下りてきて、僕の前を歩き出す。女は白く肉づきのいい脚を露わにして踵の高いサンダルを履いている。ペディキュアの赤がやたらと目につく。プラットフォームでファイブミニを買う。これは1988年発売。それで何をいいたいわけでもないが、こんな記述がWikipediaにあった。「1993年頃 - 機能性飲料ブームの沈静化で、ほとんどの小容量(120~160ml)瓶入り清涼飲料が姿を消す。」

楽天地もパルコが入って若人の客足が圧倒的に戻り、エスカレーターからしてすごい混雑だ。6階まで上って発券し、まだ30分以上時間がある。売店でタピオカミルクティを買って飲むが、美味くもない。ただ阿呆のように壮年はロビーの端に突っ立っている。

f:id:guangtailang:20190601203319j:imagef:id:guangtailang:20190601215342j:imagef:id:guangtailang:20190601215046j:image映画は、一切の出し惜しみなしに怪獣がどんどん出現し、完全なお祭り騒ぎだった。動、動、動、動…! と矢継ぎ早に、静の時間で溜めをつくることなく物語は進行する。人間の家族愛も描かれはするがいかにもハリウッド的で、情緒纏綿ということにはならない。まあ、別にそれはいらないのであって、虚心に怪獣同士の煌めく闘争を眺めればいいのだろう。唯一「ゴジラ」とカタカナ発話する渡辺謙と、相変わらずきれいな章子怡(ヂャン・ズーイー)が頑張っていた。台詞もわりかし多いし。モスラも美しかった。

f:id:guangtailang:20190601203348j:image帰宅後、「ブラタモリ」を観る。本日はちばらき。なんとなく知った気になっていたこの地方だが、鹿島神宮利根川などの重要性を再認識した。また、東関東自動車道を疾駆して行ってみたい。房総のむらにもちょっと興味あるのだ。

f:id:guangtailang:20190602205304j:image日曜。御茶ノ水から水道橋に向かって坂を下ってゆく。最初こうして眼下に見えていた線路がだんだんと高い位置になり、頭上を電車が掠めて通るようになる。