川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

鶴岡の酒

遅い昼食。ランチメニューではない黒酢酢豚を注文。880円。黒ずんだ塊が出てくる。心が浮き立ち、やっぱりおれはこれが好きなんだなあと思う。手前は豚肉だが、奥は長芋で、マッシブな食感としゃきしゃきした食感を両方楽しめる。ご飯の量は少なめにした。70円。

f:id:guangtailang:20190226143442j:image自宅階段の飾り棚に置かれたパポ、シュライヒのフィギュア。上野のヤマシロヤや銀座の博品館に行くたんび、少しずつ買い集めていったのだが、数千万年前に存在し、史上最大の陸生哺乳類といわれる手前のパラケラテリウムは友人にもらった。ヤマシロヤも博品館も店内の階段が非常に狭いなか、外国人や子供に混じって面妖な壮年が上り、また下るのだった。

f:id:guangtailang:20190226143813j:imagef:id:guangtailang:20190227120413j:imagef:id:guangtailang:20190301122531j:imagef:id:guangtailang:20190301122726j:imagef:id:guangtailang:20190304122846j:image最近、気に入ってよく飲んでいる鶴岡の酒。これも何度も云っているようで恐縮だが、幕末の戊辰戦争時、他の佐幕派の諸藩が瓦解するなか、庄内藩は唯一、新政府軍を領内に入れることなく終戦を迎えた。豪商本間家の金でスナイドル銃など近代的な兵器を買い、新政府軍と互角以上に戦ったのだ。同じく近代的な装備を整えながら、当初の武装中立策が破れると城下で激しい戦闘を繰り広げ、あまつさえ城を奪われ(のちに一度、奪還はするが)、最後は軍事総督の河井継之助自身が被弾し、絶命してしまう長岡藩と対照的と云えば云える。ただそれとても、自らの側に道理があると考えながら、負けるかも知れない、あるいは負けるとわかっている戦は初めから諦め、唯々諾々と敵に従う姿勢と比べればどうなのか。そうゆう姿勢で事に処すると、爾後、己の自尊心を保てるのか、という問題は残る。サムライのエートスの話ですが。

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