川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

酸菜魚のスープを米にかけて啜る

高校時代世話になった隅田公園の地下駐輪場から冬の景色を撮る。f:id:guangtailang:20181224190713j:imageいわゆる銀ぶらをしたが、私の心はあまり浮き立たない。ひらひらと店から店へ飛び廻る女性の買い物に付き合うのは、ぱっと店に入ってびゃっと目的の品を買う男にとっては苦行のひとつだが、日が日だけに仕方ない。まあなにせすごい人波だ。

彼女が百貨店の売り場でガウンを買い、そこの50年配の服務員が私にもナイトガウンを勧めてくる。早口で説明してくれるが、値札をみると5万も6万もする。これが銀座のガウンなのかも知れないが、彼女のガウンが1万5千円程度なのに、バランスがおかしいだろう。立腹した私は「銀座はどこも高過ぎる」と中国語で言い捨て、その場を去った。怖いのは大連のパジャマ、銀座のナイトガウンなり。

徒歩で新橋に到る。午後4時半。風が冷たい。空腹を感じたところで、沸騰漁府を思い出す。Hさんに、どうですかと問うと、コートの襟を搔き合せながら、いいですねの返答。ところが、中国料理店だからやっているだろうと店舗に赴くと、電灯が消え午後5時からの札が掛かっている。それで20分をつぶすためニュー新橋ビルに入り、寒風を避ける。ここ、男、仕事しますねえ。巨大な雑居ビルに入っているテナント群を眺めながらHさんが呟く。ビジネス街の趣きがあるという意味だろうが、この場合の「男」はおっさんの謂いだろう。いいじゃないか。私は銀座の店より落ち着くよ。彼女のトイレを待つあいだ、壁に貼ってある流れ星銀のポスターを眺める。警察の特殊詐欺に関するものだ。赤カブトの迫力が凄いな。f:id:guangtailang:20181224190918j:imageこの店に来るのは3回目。食べてみて、あらためて電車に乗って来る価値のある店だと思った。クリスマスイヴだか平安夜だかよくわからないが、酱牛肉、酸菜鱼、豆苗、菲菜盒子、こういうものを食って、ケーキは食わない宵だった。f:id:guangtailang:20181224191014j:imagef:id:guangtailang:20181224191035j:imagef:id:guangtailang:20181224191045j:imagef:id:guangtailang:20181224191052j:imagef:id:guangtailang:20181224191059j:image