川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

ゴマのナン

f:id:guangtailang:20181216173705j:image15日。今日も今日とて引っ越しの細々したモノを新居に運ぶ。部屋の中は乱七八糟(ルアンチーバーザオ)だ。文字通り足の踏み場もない。時を同じくして三重の桑名から名古屋へ引っ越す準備をしているE氏もツイッターで呟いている。

「おれは部屋の片付けをしていたと思ったら いつのまにか散らかしていた」と。

午後から赤羽のニトリへ行く。私がカートを押すそばから、Hさんが靴のラックやらキッチンの敷物やらボウルやら掃除用具やらスリッパやら日用品を放り込んでいく。おい、それもかよと思うものもあるが、今回はHさんの支払いだから、やるに任せる。レジの眼鏡をかけた長身痩躯の女性はネームプレートに「應」さんとあり、これはHさんの元夫の姓である。だから、諸暨にいる息子の姓もそうだ。慶應の「應」として使われるこの文字は、簡体字で「应」と書くのでHさんは気づかなかった。私は應さんの華奢な指先が動くのを谷崎潤一郎ばりに凝視していた。相済みません。

午後5時過ぎ。ニトリで買った品を新居に運び込み、クルマを置いて、最寄り駅にあるインド料理店でゴマのナンを食す。回転寿司の案も出たが、冷え込む日に冷たいものを食べたくないと、初めてこの店に入った。ゴマのナンをちぎりちぎり、銀の器に小分けされた緑と橙のカレーに浸す。うん、おいしい。辛さも日本人向けに調節してある。黄のサフランライスにもかける。サフランというが、この色はターメリックでつけているのじゃないかしらん。詳しくないけれど。Hさんは何もつけずにナンを食すスタイルを貫いている。それではカレーが余ってしまい、それも私が食べました。f:id:guangtailang:20181216231321j:imagef:id:guangtailang:20181216103848j:image