川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

しっとりした中越 

越後湯沢。この『雪国』は1957年の作らしい。八千草薫の若い頃の美貌は驚くべきものがある。f:id:guangtailang:20180923202038j:imagef:id:guangtailang:20180923202056j:image川端康成がこの旅館に逗留して「雪国」を執筆したのは、昭和9年の晩秋から昭和12年にかけてのことだが、この木造3階建はたぶんその頃でしょう。数年前、実際、旅館に足を運んで川端の部屋も見学したのだが、その時の画像はどこかに埋もれてしまっている。f:id:guangtailang:20180923202109j:image小説家の話がつづくが、吉村昭は湯沢にマンションの一室を持っていて、生前は執筆などでよく訪れていた。実は彼の墓もこの地にある。それで吉村昭の昼飯のお気に入りはこの蕎麦屋、しんばしだった。店に入るのは私は初めてで、前を通るといつも混雑している印象だったが、今日は正午まで30分程あったからかすんなりカウンターに座れた。わりと最近内装を変えたらしく、明るく瀟洒な店内は座敷ではなくテーブル席だった。若い女性が「カフェみたい」と呟いたのも頷ける。カウンター越しに見える厨房では、老若男女がきびきびと動いている。Hさんも吃驚のヴォリューム、舞茸、天ぷら盛合わせ。f:id:guangtailang:20180923205949j:imagef:id:guangtailang:20180923202207j:image中越に来たら必ず食べるへぎそば。これもどこかしら瀟洒なへぎだ。画像はないが、身欠き鰊の煮付けもうまかった。Hさんも気に入ったようで箸が進んでいた。f:id:guangtailang:20180923202145j:imageアルプの里。定員166名の世界最大級のロープウェイで、山麓駅から山頂駅まで7分で一気に上る。ゴンドラ内は若いファミリーが多いが、その中から中国語が聞こえてくる。そういえば、湯沢の駅から山麓駅までのあいだにも3軒の中国人経営と思しき中国料理店がある。新潟の中国人だから、どちらかというと北方(ベイファン)系統かしら。タイ料理の店もある。f:id:guangtailang:20180923211230j:plain今日はまだいってしまわない夏の天気。山頂に降り立っても汗ばむ陽気だ。f:id:guangtailang:20180923210714j:plainやまびこリフト。f:id:guangtailang:20180923213545j:plainロックガーデン。高山植物が咲き、しっとりと濡れた場所である。f:id:guangtailang:20180923213316j:plain坂の上から山麓駅とその向こうの平野や山を望む。f:id:guangtailang:20180923213629j:image地上に降り、温泉通りの足湯でHさんが休息するあいだ、私は滝沢公園に行く。足湯の脇の道を上り、湯沢東映ホテルを右に見ながらさらに上ると滝沢公園に至る。そこからまた15分程上っていくと不動滝があるのだが、そこまでHさんを待たせるわけにもいかず引き返す。砂防堰堤のところに人が固まっており、何かなと近づいていくと水遊びをする男女の若人やシャボン玉を吹いている若人だった。水の中に下りている中学生と思しき女の子たちの細い脚が夕方の光を浴びて輝いていた。f:id:guangtailang:20180923213824j:imagef:id:guangtailang:20180923214913j:plain