川の照り

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

藪塚の一夜

太田市藪塚のジャパンスネークセンター。個人的には3回目、Hさんは初めて。彼女が蛇好きであろうはずもないのだが、杭州西湖には白蛇伝、妹の家の裏山には洗澡する蟒蛇の奇譚が伝わり、蛇に馴染みはあるらしいので、白い蛇も大蛇もいて見る価値あるよと誘ったら、わりかしすんなりじゃあ行きましょうとなった。

※これより下面にはスネークの写真が多数出てくるので、苦手な方は見ないで下さい。

f:id:guangtailang:20180916152602j:imagef:id:guangtailang:20180916152626j:imagef:id:guangtailang:20180916152846j:imagef:id:guangtailang:20180916152947j:image黄色い部屋、大蛇温室。f:id:guangtailang:20180916180903j:plainヤマカガシ。日本に棲息している毒蛇としてはハブやマムシが有名だが、このヤマカガシの毒がいちばん強いのだという。ではなぜ、ヤマカガシがあまり知られていないかというと、有毒の蛇だと判明したのが1970年代になってからだから。下面の「ヤマカガシ大図解」を見て頂くとわかるのだが、この蛇の毒牙は口の奥の方にある。そして、牙も小さい(2ミリくらい)。だから、よほど深く、一定時間咬まれ続けないと毒が人間の体内にまわらないらしい。下面に、専門家による「ハブの採毒実演」も4枚にわたって載せたが、ハブの毒牙は人がよくイメージするように口の前面にあり、長さも1.5センチほどある。ヤマカガシに戻ると、この蛇に特徴的なのが口内以外にさらに毒を発射する箇所を持つ、「大図解」で頸腺毒というのがそれだ。獣がこの頭の後方の部分に噛みついたり、人が棒きれかなにかでここを叩くと、皮膚が破けて毒が飛び散る。専門家によると、ヤマカガシの抗毒素血清は全国に8箇所しか置いておらず、兵庫県の小学5年生が咬まれた際は、近畿地方になく、四国から取り寄せたという。暗緑色に柿色の鱗を持ち(個体差あり)、顔立ちは目が大きくてちょっと可愛らしい、性格はおとなしく自分から人に咬みつくことは稀、毒蛇のイメージが希薄、それがヤマカガシである。f:id:guangtailang:20180916153045j:imagef:id:guangtailang:20180916153058j:image昭和30年代くらいの博士の研究室かしら。f:id:guangtailang:20180916180953j:plain先程書いたヤマカガシの話も、このゾウガメのTシャツを着た若きヘビ研究者の受け売りである。f:id:guangtailang:20180916153130j:imagef:id:guangtailang:20180916153149j:imagef:id:guangtailang:20180916153207j:imagef:id:guangtailang:20180916153220j:imageこれはガラスケースに入っているからわかりやすいが、一面枯葉の地面に這っていたら、瞬時に見つけられますか?f:id:guangtailang:20180916153237j:image無毒の白蛇を触る。私も触ったが、Hさんは頑なに拒んだ。蛇の鱗はひんやりとすべらかで、感触が気持ち悪いということは全然ないのに。ちなみにこの日は土曜日で、ブラックマンバもいる熱帯蛇類温室での、ボアコンストリクターとの記念撮影はやっていなかった(日曜日のみ営業)。f:id:guangtailang:20180916153252j:imagef:id:guangtailang:20180916153305j:imagef:id:guangtailang:20180916153326j:imageスネークセンターから至近の、本日の宿に到着。実はその前に、Hさんだけ藪塚温泉で最大規模を誇るホテルに日帰り入浴している。下の写真の左奥の建物だ。我々は1泊ひとり7,000円(税抜き 夕朝食付)の、昭和を体現した味のある旅館だ。新館は高台に建っているので、窓からの眺めは開放感がある。f:id:guangtailang:20180916181149j:plainf:id:guangtailang:20180916181227j:plainf:id:guangtailang:20180916181300j:plain実はこの風呂は温泉ではなく、赤城山の地下水を沸かしているんだそうだ。私は気にしないが、それでHさんには先に日帰り入浴をしてもらった。我々以外にもう1組、両親と娘2人の家族が泊まっていたのだが、2日間貸切同然で、朝風呂は旅館の主人のはからいでふたりして男風呂に入った。f:id:guangtailang:20180916153428j:imagef:id:guangtailang:20180916153439j:image意外、と言っては失礼だが、豪華な夕食。昭和のカギが右手前に見える。この旅館はおそらく少数精鋭の家族経営だと思うのだ。細かいことを言えば、部屋のアメニティの不足とか、朝食の時間が朝まではっきりしないとか、サーヴィスが行き渡っていない箇所もあるのだが、鷹揚に客を放置してくれるので、個人的には満足だった。f:id:guangtailang:20180916153513j:image床に就くと、耳を圧するほどの虫の音だ。暗闇の中でじっと聴く。おもむろにHさんがぶどう狩りがしたいと言い出し、スマホで調べてみると、附近では栃木市の太平山山麓に集中してぶどう園(大平町ぶどう団地)があるようだった。 2日目につづく