川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

見送り

フランス対アルゼンチン戦を観終わって、なんやかやで寝たのが午前1時半くらいだったと思う。で、早朝の5時頃にはHさんがもそもそし始め、ついには起きだし、スーツケースの中身を最終確認している。そのガサゴソ音に僕も起こされた。

午後1時過ぎ。日暮里の昭和大箱喫茶、談話室ニュートーキョーで豚肉ロース生姜焼弁当とアイスコーヒー。朝から移動に次ぐ移動で、ここでやっと一息つく。店内は9割方埋まっており、さらに頻頻と客が来店し、相変わらず繁盛している。

f:id:guangtailang:20180701153222j:imagef:id:guangtailang:20180701153234j:image時間は遡るが、午前7時45分日暮里発の京成スカイライナーに乗車し、成田空港第一ターミナルへ。Hさんのスカルプチュアが1箇取れてしまったらしい。ここで念のため言い添えておくと、人工爪のことをスカルプ、スカルプと呼び習わす人たちがいるが、スカルプ (scalp)というのは「頭皮」「頭の地肌」のことで、スカルプチュア(sculpture)が人工爪であり、綴りも違う。前者は僕の問題、後者がHさんの問題とするところである。

f:id:guangtailang:20180701153248p:image午前10時半頃。Hさんを見送り、粥と餃子の軽食を取ったあと、帰りは適当に成田エクスプレスに乗る。過日の新幹線車内での殺傷事件以降、僕は列車内で寝る行為を控えようと考えているのだが、早くも眠気に勝てず、うとうとしているうちに東京駅の地下5階辺りに到着した。地上までゆらゆら上っていき、八重洲ブックセンターに寄り道しようと烈日の路上を歩いている時、軽い眩暈に襲われた。熱中症というよりも、寝不足だろうと思った。以前にも何度か、寝不足でやたら歩き廻った際にこの症状があらわれた。ブックセンターでしばらく涼み、症状が落ち着いたのち一冊も買わずに店を出て、日暮里に向かった。 

f:id:guangtailang:20180701153314j:imagef:id:guangtailang:20180701153325j:image東北アジア人として、ハングルをちょっぴりでも覚えようという気がまだない。

f:id:guangtailang:20180701153336j:image対向列車との行き違いのため、エクスプレスが発車して早々、ここで停まる。僕が座っている側の車窓は緑がもこもこと繁茂している。植物はなぜこんなにも輝くのか。

f:id:guangtailang:20180701153347j:image最寄り駅からオーシャンビューの日立駅まで131分。クルマで常磐道を行っても結構かかるが、日立に差し掛かった辺りからトンネルが増え、ああ、関東平野が終わったのだなと感じる。すると、トンネルを抜けた瞬間、右手に太平洋があらわれ、暗い場所から出たから余計に、海のブルーが目に染みる。僕は人より北茨城地方に感動し過ぎかも知れない。

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