川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

屏風ヶ浦

f:id:guangtailang:20180212193456j:plainf:id:guangtailang:20180214013513j:imagef:id:guangtailang:20180214013533j:imagef:id:guangtailang:20180212194051j:plainf:id:guangtailang:20180212194202j:imagef:id:guangtailang:20180212194343j:plainf:id:guangtailang:20180212194503j:plainf:id:guangtailang:20180212194600j:plainf:id:guangtailang:20180212194935j:image銚子マリーナにクルマを駐めて砂浜に下りると、そこから屏風ヶ浦が一望できる。黒っぽい岩肌の上に鉄塔やら風車が並んでいるのがかすかに見える。ちょっと遠いという感じを抱く。それで断崖沿いの遊歩道を歩いて近づいていく。私は地層について知識の無い人間なので、切り立った崖の下をただただ歩く。

しばらく行くと遊歩道が途切れるようにクレーン車が入った工事現場があり、周りを柵で囲っている。観光に来た人たちはだいたいここで引き返していった。私は工事現場の脇の枯れ草の小道を素知らぬ顔で通り抜け、どんどん進んでいく。すると今度は2個のテトラポッドが置かれ、赤字でそれぞれに「立入」「禁止」と書いてある。しかし道は続いているのだし、先の方に人影が見えるのだから、私は素知らぬ顔でテトラポッドを越えていった。午後の陽光を受けて海は銀色に光っている。

人影は散歩をしている地元のおっさんだった。手ぶらに黒いジャージの上下でのんびりと歩いている。道が砕けているところまで来て、波もすぐそばまで押し寄せているし、ここより先を目指すのはチープなスリルに身をまかせる所為に他ならないと思い、引き返すことにした。途中、黒い柴犬を散歩させる少女ともすれ違い、立入禁止も何も地元の人は全然気にしていないし、散歩コースも同然なのだ。

帰路、神栖の鹿島セントラルホテル前の国道を走っていると、車道の真ん中に小動物の死体が転がっていた。避けて通り過ぎ、すぐ信号待ちで停まった。はっきり見なかったが、灰色の毛のもじゃもじゃした愛玩犬のような感じで、野生動物っぽくないので余計気味が悪かった。すると右側のサイドミラーの中心に計ったようにその死体が写り込んでいる。信号が青に変わるまで、ずっとだ。厭な気分だった。それでも写り込まないようにクルマを少し動かすとか、ミラーを畳むとかせず、ミラーから目が逸らせなかった。