川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

東京駅へ

f:id:guangtailang:20180202230138j:plainf:id:guangtailang:20180202230221j:plain川沿いのウレタン敷きジョギングコースはすっかり雪も融け、冬のランナーたちが行き交っている。防寒した私が煉瓦色の道をウォークしていると、ふいに左手の段段から赤いパーカーを着た中学生くらいの女の子が飛び出てきて、目の前を横切った。そのまま彼女は右手の段々を川に向かって、跳ねるような足取りで降りていった。夜目に黒髪のポニーテールが躍っていた。

このトンネルは夜行バスが通るのをよく見かける。川向こうのインターで高速を降りて橋を渡り、交叉点を左折してトンネルに入ってゆく。フロントグラスに「東京駅」の文字がオレンジに光っている。私がウォークする時間帯が主に午後8時から9時半のあいだなので夜行と言ったが、深夜だってたぶん通っているのだろう。まばらな乗客はバスの窓に寄りかかって、疲労が滲み出ている。