川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

ガスタンク

f:id:guangtailang:20171023143523j:imagef:id:guangtailang:20171023143531j:imagef:id:guangtailang:20171023144046j:plain台風一過の素晴らしい青空。ただ、まだ強風がふいている。明朝、Hさんが成田から香港・澳門に飛ぶが、本土の中国人が出入境するにはなかなか面倒な手続きが必要らしい。日本から行くので勿論パスポート、と言ってぽんとテレビ台にそれを置き、向こうに着いてからこれが必要と財布の中から「往来港澳通行証」なる顔写真付きの電子カードを出して見せてくれた。あとなんとかと言っていたが、ふんふんと頷きながら私はトマトと玉子の中華炒め(西红柿炒鸡蛋)を食っていた。

球形の巨大な3基のガスタンク。私はこれらを眺めながら育った。ウオーキングの最中にこれらを発見したHさんが「爆発しないのか?」と不安そうに訊いてきたのは、いかにも中国人らしい気もする。爆発するかもなんて私は考えたことなかったな。黒沢清ニンゲン合格』(1999)にこれらが出てくる。黒沢監督はVシネマを撮っていた頃から何度か汐入をロケ地に選んでいる。旧い家並みが取り壊されて虫食いのように空き地が増え、刻々再開発されていく隅田川沿いの散文的な町に、何か感じるところがあったのだろう。ちなみにこの映画、大学時代の友人がエキストラで出ている。