川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

奈良のモダニズム

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さて、春日の杜に程近い閑静な屋敷町、趣きのある古びた土塀に囲まれて、志賀直哉旧居はある。ここで彼は壮年期の10年を過ごした(1929~1938)。彼唯一の長編『暗夜行路』もここで完成された。現在は、奈良文化女子短期大学のセミナーハウスとして管理されている。
表門をくぐり、玄関で靴を脱ぐ。それをビニル袋に入れて手にぶら下げ、部屋を廻る。とても広い家だ。庭も広い。志賀自身が設計に携わったという数寄屋造りの建物は、1階と2階にそれぞれ北向きと南向きの書斎がある。茶室がある。中庭に沿って廊下がめぐらされ各室が配置されてある。どの部屋も居心地がよさそうだ。とりわけダイニングから繋がるサンルームのハイカラ空間は抜群だ。和洋折衷に中華風の味付けも加えられているとのことだが、変な不統一感はない。まことにモダンで機能的で私は感心しきりだった。
南にある広縁から靴を履いて庭に下りる。そして家と塀のすき間を通って北の庭に廻り、中門の扉を開けて外に出る(だから靴を持ち歩くのだった)。帰り際、春日の杜の中から鹿がこちらをみていた。

敷地:1,437㎡(435坪)
建物:443㎡(134坪)