川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

種差海岸

f:id:guangtailang:20170804202820j:plain2016年8月17日、レンタカーで浄土ヶ浜から三陸海岸沿いをひたすら北上する。折からの台風上陸がいよいよ本格的なものとなり、フロントガラスに打ちつける雨で前方もよく見えない。ワイパーを全開にする。途中、久慈でHさんが果物を欲し、豪雨の中を駆け出してバナナを買ってくる。雨風は増すばかり。これじゃ、台風と伴走しているようなもんだ。

やっとのことで目的地の八戸市街に着くと、道路が冠水していた。溜まった雨水を跳ね上げてクルマが行き交う。それでも私は、司馬遼太郎が「他の星からの訪問者を一番先に案内したい海岸」と言った種差海岸を見たかった。

海岸は暴風雨で、ビニ傘を差して外に出た瞬間、ほとんどの骨が折れた。びしょ濡れになった。Hさんはうんざりした表情で私をみる。その時、ふと目に入ったのが種差食堂で、営業しているのを確認すると即座にクルマを駐めて店に入り、うに丼を食べた。こんな天気でも先客がいた。

(私はでろりんとなったビニ傘を片手にこの写真を撮ったので、パンツまで濡れた)。