川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

言葉足らず

日曜日。午前9時半、中国人のおばさん4人をクルマに乗せてブルーベリー狩りに出発。ひとりは浙江省、ひとりは福建省、ひとりは遼寧省、ひとりは黒竜江省と南北2人ずつに分かれている。僕が中国語を学び始めた頃に知り合った例の友人Jが、当時日本在住の中国…

ハモの梅肉和え

今日は7月4日。風が暦をめくるようにいちねんの半分が過ぎた。最近はこの時期とは思えない猛暑で、きのう日曜日は少しマシなような予報だったが、結局猛暑日になった。おれはHさんの実家から送られてきた白茶を熱い湯で飲んでいる。冷たい炭酸や酒も飲む。 …

長い夏の始まり?

本日6月27日、関東甲信観測史上最速で梅雨明けしたんですってよ。長い夏の始まり? 灯台のTシャツを着ていたからか、匝瑳・旭までで帰ろうと思っていたのが、銚子まで足を延ばしてしまう。涙ぐましいブルーの空がどこまでも広がって、それに夏の海のブルー…

又来了老地方

曇天。どこまでも乳白色の空。薔薇のソーダを飲む。僕の後ろに身長180くらいあるプロレスラーのような女性が並んでおり、家族連れのようだったが、その人が木のテーブルを隔てて僕の前に座った。ドリンクを持つ手に目をやるとすごく大きくて分厚かった。マニ…

海を見ていた午後

ゴルゴンゾーラのチーズケーキとカフェラテが運ばれてくるまでのあいだ、目の前の海を眺めていた。ガラス越しだと穏やかそう。 席が空くのを店内で待つことができないという謎の規則(感染防止対策の一環?)により、携帯の番号を知らせ、付近の灯台のある公…

貌が見たくて

禁煙席が空いているか訊いたら満席。地下に降りて右側の狭苦しいスペースがそれで、時代の流れに逆行して左側の喫煙席の方がはるかに広い。この店にはほんとうに久しぶりに来た。大学時代やそのあと数年は友人Kとしょっちゅう来て、当時ヘビースモーカーだ…

去年、ひたち海浜公園で

Hさんは疲労困憊し、今日は仕事を休むという。しばらく前から神経病(シェンジンビン・頭おかしい)の同僚と付き合わざるを得ず、そのストレスがすごいようだ。傍から見ていてそれがわかったので、そいつをなるべく相手にしないようにできないのかと言った…

行き止まり

『サイレント・パートナー』(1978)。ちょっと珍しいカナダ映画。派手さはないですが、配役の妙もあり、おもしろいです。おススメ。106分。 先日Mと会った時に映画『悪人』(2010)の話になった。彼女は観ており、僕は観ていない。ただ僕の脳裡にも金髪の…

思い出(8年前)

【物語の内容に触れています】 『人間のしがらみ』で、フィリップはミルドレッドに執着し、何度となく泥の布団の中でのたうちまわるわけだが、この女、他の男にとってはさほど魅力的に見えていないというのがリアルなんだな。最初、フィリップをカフェに連れ…

バラ園

高速を降りて、幹線道路をバラ園に向かって走っている。クルマの数はベッドタウンだからして非常に多い。数珠つなぎで小刻みに信号で停まる。ここまで来た時間より、ここから目的地までの時間の方がよりかかるだろう。助手席のHさんが「トイレほしい」と言…

渋滞に遭わない連休

連休といって僕は暦通りの休みでそこまでの連休でもなかったが、今年はまったく渋滞に遭わなかったのがなによりよかった。去年おととしと違いなんの自粛や制限もない中、出かけるなりに渋滞を極力避けようとして、それでもこの時期は遭うものだと思っていた…

今回の感想

『ジャンプ』(2004/竹下昌男監督)は4年前に観て、その時ちょっと考えさせられた。ただ、このたび再見して前回の感想を読むと、見方がかなり違う部分がある。また、単純な事実誤認もあった。酒飲みながら書いたのかな。まあ、今も少し飲んでいるけれども。…

眺望のいい場所

『恋人たちの時刻』(1987/澤井信一郎監督)を部屋にあったDVDで。終始晩秋のような物悲しさが底流している1本。それを久石譲の音楽がいやがうえにも盛り上げる。北海道が舞台だが、観光地然とした場所はほとんど映らない。ただ、眺望のいい場所はよく出て…

壮年の衰え

注文する人が少ないのか、他のスイーツ系カップがいくつも置いてあるのにこれは1個しか準備されていない。売れた状態じゃないように思う。 ぽつねんと在る。そういうものをたのんでしまうわたしがいます。 トマトは野菜か果物かについてはとりあえず措くとし…

まあ曇天。

春になって天気は安定しない。陽の射している時間は暖かく、雨の日は肌寒い。僕の気分もふさぐまでいかないにしろ、晴れちゃいない。まあ曇天。天気の子。そんな時の解消法として、僕の好きな時代の映画を観ようかしらとなるわけ。外国映画でもなんでもよか…

覗く

大塚でMと会う。山手線の車窓からこの街の変貌をなんとなく眺めていたが、今日は三ノ輪橋から路面電車で大塚駅前まで来た。40分くらいかかったが、久々だし飽きなかった。飛鳥山の脇の道路をカーヴしながら上っていき、そこから大通りを横切り、一直線の鉄…

ザ・役者

山崎努44歳。夏目雅子23歳。 佐藤慶52歳。 最近見たテレビドラマの貌。このドラマはNHK制作なのに夏目雅子が胸を露わにするということで有名なわけだが。 これが昭和のザ・役者の貫禄、澀さ、重厚感というものか。己の令和46歳の風貌との落差にとりあえず…

見つめる

雨空の街を見つめる女。それを見つめる男。大江千里「Rain」の気に入ったフレーズをボソボソと繰り返す。午前11時の開店と同時に入店し、焼肉のランチを食べる。Mはここの梅酒が好きで、ソーダ割りをゴクゴク飲むと、見る間に顔を紅潮させ、奥行きのあるま…

新年度

新年度にふと思いついた僕のにっかつ(日活)ロマンポルノ10選。監督一人につき一作という縛りを設けました。なんとなれば、一人の監督であれもこれもとなってくると少なくとも28選くらいになってしまうから。順不同。来年度に選んだらまた少し違うんだろう…

裁量

3月28日、晴れのち曇り。今日、東京は桜が満開らしい。僕はまだ見ていないが、お客さんの何人もがそのように言う。やはり桜は特別なんだな。 数日前。仕事で草加に行ったHさんから帰りが遅くなると連絡があったのが17時過ぎ。そんなら外で晩飯食うわと応じ…

火の国のA

そそり立つ壁の駅ビルをぺデストリアンデッキ側から撮る。午前11時48分。SあらためAが見慣れたベージュのトレンチコートを纏って近づいてくる。小走りで、軽く会釈しながら。その動作を174プラスややヒールの彼女がやることで背ぇ高の風がふわりと起こり、…

蕪雑

北関東のとあるレストラン。時刻は午後1時半くらいだったか。モモさんは自家製ハンバーグ、Hさんとおれは有頭エビのシチューのセットをたのむ。給仕のおばさんひとり、料理人ひとりでやっているようで、注文からメインの提供まで40分以上も待たされた。しか…

もすぐりーんのこうしがらじゃけっと

さいきんあいいんしているHさんのおみやげ。れんこんのくずゆみたいなやつ。じょせいがのむものだとかのじょはいうが、そんなことかんけいありゃしません。がんらいぼくはとろみのあるものがこうぶつなんです。しのばずのいけがこうしゅうのさいこをもでる…

常総バイパス

日曜日、強風。目の痒さにくしゃみ。今日はひどい。本来マスクはこういう時にしていたものだ。 Hさんが大陸で恋しがっていたもののひとつは温泉で、こっちに彼女が戻ってきてどのタイミングで行こうかと考えていたが、昨今感染者も高止まりしているから、宿…

早められた時刻と女性のおごり

土曜日。外回りの最中にコーヒーゼリー(CJ)をさっと1個掬う。それがハゲマルの日常。皆がコーヒーを1杯啜るように。ここのやつは数種類から選んでソフトクリームをのっけられるのだが、14時からMとカフェで待ち合せがあるので控える。ジェリー本体の2倍か…

コーヒーゼリーとココナッツアイスクリーム

※ハゲマル(壮年45歳のこと。前頭部ならびに頭頂部の薄毛進行に由来する)。 天皇誕生日。北千住駅からペデストリアンデッキで繋がっている商業ビルの9階でHさんとランチを食おうと思ったら、いちねん前に閉店していた。それでハゲマルの独断と偏見で秋葉原…

リゥサンオオタカノセン

最近置いていない店舗に行くことが続いたが、今日はこのうまいコーヒーゼリー(CJ)にありつけた。 リゥサンオオタカノセン。Hさんが初めて降り立った駅の名を呟いた。快速がシームレスの線路を滑っておよそ20分。乳白色の空の下、午前11時到着。今日の目的…

日常の再開

Hさんが大陸に帰る前、自分の自転車を雨ざらしにしたくないと言い、彼女が不在の三月弱のあいだ、自転車を家の一階に格納していた。新聞紙を床に敷いて、これでどうだいと微信で画像を送った。ある時から僕がウィスキーウォーキング(WW)に出かける際の用…

すなわちCCJ

このクラッシュドコーヒーゼリーすなわちCCJを気に入ってしまい、また来た。円形テーブルの席を選び、昭和大箱喫茶の名残りの女神を臨む。先日、Mが初めて北千住の地を踏んだ。夕方から急に冷たい風が吹いた日で、僕は犬橇も可能なコートを着込み、約束のペ…

シャーベット状

10日。降雪予報。午前中、職場から外を眺めていると霙が混じり始めた。積もりそうな気配はない。そうやっていちにち阿保のように外を見ていた。かと言えばそうでもなく、Hさんを成田まで迎えに行くのにクルマかデンシャかの選択を直前まで迷い、雪の状態と…