川の照り

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

食べ物

榨菜の罐詰

29日午前9時。ベッドに横臥しながら昨夜の日本勝利に対するラグビー強豪国の反応をスマホで読んでいると、Hさんが新大久保にしか売っていない榨菜を買いに行くからついてきてくれろと言う。新大久保にしか売っていない榨菜とは何だと反問すると、上海姐がそ…

老いの微笑

19日夜、隣接区同業者団体との会食でローストチキンが出る。どこかなまめかしいかたち。向かいの主催者側の若者が慣れた手つきで肉を裂いていく。こちらは切り分けられた塊をかじるだけで楽なものだ。ジューシーで実に美味。ただ、右側でばかり噛むのはやや…

ストレス

月餅を食らう。今週は職務上のあれこれで心身ともに疲弊して、帰宅後、暴食にてストレスを発散するありさまだ。この400kcal以上ある月餅も食後に2個ぺろりと平らげてしまい、Hさんに窘められる。こちとらアルコールも入っているので、皿に残っている卵黄の…

ジャンクな味道

Hさんが朋友からもらったお土産を全部ぼくにくれた。辣いものは食べないからと言って。浙江や福建出身者には辣いものを苦手なひとが多いが、彼女は特にそうだ。中国料理店でも「这个菜辣不辣?」と頻繁に訊き、出てきた菜(ツァイ)が予想よりも辣いとその…

都電のち羊肉串

20日、曇天。荒川都電(東京さくらトラム)に乗って大塚まで行く。都電の停留場の間隔は短い。こまごました民家のあいだを走っては停まりの繰り返しだ。そして、ひっきりなしに乗降客がある。乗ってくる客をみていると半分くらいは75を超えているだろう男女…

ボミワ

羊肉串5本盛りとクラゲの黒酢和え。 30日、雨。Hさんが雨だからやめましたと本来の予定をキャンセルする。相手方も雨だからやめましょうと言ったらしい。このように雨を理由に予定をキャンセルする行為を仮にボミワと呼んだところで差し支えないだろう。そ…

あらわれた小狗

25日、午後7時30分。日暮里まで戻ってきて談話室ニュートーキョーで弁当を食いながら、空港での出来事をまたひとしきり話すHさん。 時間は午後4時まで遡って、スカイライナーで成田へ向かう。老眼が進み、眼鏡をはずしてスマホを弄る壮年43歳。照り上がった…

山東省生まれ、茨城育ち

14日。鶴岡抄太郎はアリオ亀有にあらわれた。東京の桜は散りつつあるが、暖かいともいえない少し風の強い日だ。彼は緑色のゲームジャケットにリュックを背負い、広場をぐるり見渡すと、キッチンカーの店でよだれ鶏と米、青島ビールの缶を購入した。四川祭と…

濡れたガラス窓

夕刻、上野でHさんと落ち合い晩飯。桜は満開らしいが花冷えだ。マルイの外壁に設置されている温度計は11度を示している。街ゆく人びともコートやマフラー姿が結構いる。ペデストリアンデッキを歩いて、2階が湖南料理、3階が椰子鶏の雑居ビル入口にたどり着く…

或る昼

或る昼。魚香肉絲。ライス少な目。750円。或る昼。鶏肉の辛み炒め。ライス少な目。750円。或る昼。上海風焼きそば。600円。或る昼。干鍋鶏。1080円。ライス少な目。或る昼。ビーフン炒め。700円。或る昼。エビチャーハン。600円。或る昼。ベビーホタテと玉子…

花冷えにきのこ鍋

土曜日の仕事を午後2時で切り上げ、上野でHさんと落ち合い、大連発祥らしい何鮮菇(ホーシェング)へ。きのこ鍋の店である。花冷えだから温まるものが良いと考えて。Hさんは灰色のロングカーディガンを羽織っているが寒いを連発する。たしかに黒のロングダウ…

マゾヒスト

午後12時45分。TOHOシネマズ錦糸町 楽天地で『運び屋』(2018・監督/主演 クリント・イーストウッド)。比較的小さなハコだったが座席はほぼ満員で、老若男女上は70代の夫婦から下は制服姿の高校生まで来ていた。昭和が匂う前の楽天地でこんな入りはみたこと…

チャイナタウン(1日目) 

この世にまろび出て43年が経過した日の記念にHさんと横浜へ泊りがけで行ってきました。とはいえ動いた範囲はそれほど広くなく、ホテルと公園と中華街を行ったり来たりしていただけです。 元町に至ると人だかりができていたので何かと思ったらセントパトリッ…

魚香という謎

昼、行きつけの中国料理店で鱼香肉丝。酸味が少しあって青椒肉丝よりも好み。魚とつくが魚の入っていない四川省起源の料理。鱼香茄子も有名。これらも最初は雪駄を履いたエスイーことJに教わったのかも知れない。なにしろ彼は当時、中国八大菜系を念頭に「悠…

河の北

久方ぶりの福建喫茶。ホットコーヒーと素朴な野菜トースト。花粉症を発症したらしくママはマスクを着けている。Hさんも最近目が少し痒いとのことで、個人差はあれどある年数日本で過ごすと発症するものらしい。いつだったか聞いたところではママは福建出身だ…

雨音

尖椒干豆腐(シシトウと干豆腐炒め)。ご飯は少なめ。私は窓際に寝ているのだが、夜来の激しい雨音であまり眠れなかった。そして夢をみた。少し若返ったような私が、年上の男に幌のついた軽トラの運転席に乗るよう指示されている。男が助手席に乗り込んだの…

その女、ベイファンレン

8日、晴れ。国際女性デー(三八妇女节)。といって日本ではあまり馴染みがない。そうだとしたら、ミモザの日として人口に膾炙させてもいいですよ。ホワイトデーよりはちゃんとした起源があるのだし。 錦糸町にて漬け白菜と豚肉の炒め。中文併記じゃなかった…

干鍋鶏と親不知

6日、曇天。昼に干鍋鶏(ガングオジー)。これはうまい。メニューの日本語ではセロリと玉ねぎと鶏の煮込みとかの表記だったと思うが、干鍋というからには汁が無いのが本当だろうか。まあでも、辣くてうまいのだからこれでいいのだ。画像ではみえないが鍋の下…

シーチュアンコウの宵

2日夕、西川口の福建料理の店で友人ににんと待ち合わせ。この店はHさんが仕事仲間とよく来るらしいが、私は初めて。食べログの画像でなんとなく知っていたが、入ってみるとテーブル3席のこじんまりとした店だ。 今回の主目的である海蛎饼(ハイリービン)を…

陋巷

最近、ひょんなことから立派なキャビネットを譲り受け、事務所の2階に置くこととなった。整理した書類を内部に収納し終え、遠目に眺めていると、キャビネットの上が少し寂しい。何か飾ろうとごそごそやっていると、父親が昔に中国のどこかで買ってきたらしい…

鶴岡の酒

遅い昼食。ランチメニューではない黒酢酢豚を注文。880円。黒ずんだ塊が出てくる。心が浮き立ち、やっぱりおれはこれが好きなんだなあと思う。手前は豚肉だが、奥は長芋で、マッシブな食感としゃきしゃきした食感を両方楽しめる。ご飯の量は少なめにした。70…

紹興酒を飲む夜

昨日から目が痒い。今年も到来したか。 昼飯、ムース―ロウ定食。僕の座った左横の貼り紙をみると、この店は紹興酒を推しているようだ。店名にもつけるだけのことはある。服務員の女性に儿話音はないと思しい。 今どうなのだろう、紹興酒の地元紹興市の伝統で…

凍る松花江

僕もあのビンチーリンが懐かしいのですが、昨今、南方との縁分が深くなったため、ハイリービンにする次第です。と、つい朋友に送ってしまったのだが、これは本当です。ああ、ハルピンに赴きたい。趣きがあるから。そんな気持ちがムクムクと湧いて、困るです…

消された電灯

福建喫茶は今月26日まで休業している。春節時期に一時帰国したのか、今月の2週目に紙ぺらがシャッターに貼られていた。微信で送った新年の挨拶に返事はない。 それで新規開拓、バス停の真ん前のマンション1階に構えて、奥まった入口が待ち人の雨宿りの場とし…

地瓜丸、または番薯丸

2日、夕刻。地下鉄上野駅から京成上野駅へと繫がる長い通路。どことなく黒ずんだ空間は昭和の通路の趣きを残している。といって京成上野駅は現在、平成最後のリニューアル工事をやっているのだが。歩くひとびとも寡黙に靴音を響かせるのみだ。 喫茶室白樺の…

中国結び飾り

気がついたら2月か。福建喫茶にこれだけ通っていると、だんだんママの事情にも通じてくる。微信で繋がってモーメンツもみられるからなおさらだ。それはそれとして、彼女は午前11時半より前には店にいないことが多い。代わりにというか、50絡みの中国人の男が…

クリーピー

いくら髪をセットしたところで今日の風ではなぶられるよ、斜向かいの工事現場の養生シートが音を立ててびらびらめくれるのをみながら、Hさんにそう云おうと思った。 午後12時半、新橋の沸騰漁府にて酱牛肉、干煸四季豆、酸菜鱼の3品プラス米饭。帰り際、レジ…

妖しい光線の美女

18日。横浜に排练(パイリェン・リハーサル)に行って、昼飯も食べそびれたというHさんに晩飯をつくらせるのも酷だから、上野で落ち合って中国料理店へ。ここの老板娘とHさんが知り合い。そういえば、いつだかニラレバとレバニラの話をテレヴィでやっていて…

金海湾

13日。久々に気の置けない友人たちと午後2時から呑み食べ、そして語らい、すでに夜の8時半を廻った頃、痛飲の域にも達していたが、Hさんの状態がいよいよ気になり始め、浮き足立った。 というのも、朝から体調がすぐれない、とHさんがぼそり呟き、それでもパ…

餃子活動

30日、晴天。冬らしい凛冽な空気に頬を冷やされながら、西川口へ。Hさんの仕事仲間の餃子パーティ(饺子活动)があるというので便乗。普段全然乗らないが、京浜東北線の快速って日暮里停まらないのだった。それを失念したおれが日暮里のプラットフォームでH…