川の照り

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

花冷え

29日。雪。新型コロナとは関係ないような貌で降っているが、外出を控える気持ちが強化され、東京の人間にとっては関係ないこともない。どこかで鴉が鳴いている。雪は避けているのか。僕は三月中旬に生まれたのだが、今日みたいな日があると、三月の寒い日は…

引っ越しを数える

昼。自宅で老干妈を混ぜ込んだチャーハン。食後、諸曁(浙江省绍兴市诸暨市)の緑茶を飲む。 先日の小旅行の際、車窓を流れる景色の中に昭和の趣きを見つけ、友人Jが「団地に住んでたなあ…」と呟いたのを皮切りに、今までに引っ越した場所を言い合い、数え…

神社、百穴、聖天宮

21日、快晴。友人Jと以前から約束していた奥秩父の三峯神社(みつみねじんじゃ)、吉見百穴(よしみひゃくあな)、聖天宮(せいてんきゅう)へ。新型コロナウイルスが欧州を席捲しており、彼の地の諸国はどこも厳戒態勢だが、時を同じくして日本はなにやら…

隅田川のピクチュア

『順子わななく』(武田一成・1978)をFANZA動画で。この監督はロマンポルノを超えてもっと知られていいと思うのだが、Wikipediaの頁もつくられていないし、FANZA動画やDVD等で観られる作品もそれほど多くはない。好きな監督だけに残念なことだ。最近、阿佐…

日本にとって浙江省

昼。昨晩の残りのカレー等を食う。Hさんは例の上海人のおばさんとどこかへ出かけた。右手にスプーン、左手で本の頁を繰りながら、『子どもたちに語る 日中二千年史』(小島毅著・ちくまプリマー新書)を読了。子どもたちに語ると謳いながら、おっさんでも十…

舌打ちのマーラントウ

15日。昨日と打って変わって晴天。いまだ新型コロナの感染者が確認されていない茨城へ。関東甲信越で唯一か。 行きの常磐道が柏と守谷のあいだで事故渋滞。現場に到ると、フロントバンパーが路上に転がり、左の斜面に黒いクルマが飛んだように乗り上げていた…

梢というサディスティック

13日の金曜日。夜。昨日観た『団地妻 ニュータウン暴行魔』(磯村一路・1987)は酷かった。あの手の主題であれば、アダルトビデオにもっとすぐれたものがたくさんある。なにせ主演の女優に魅力がない、演技ができない、喘息のストーカーに魅力がない、羞恥プ…

1986年の女性プログラマー

10日夜。外は雨がびしゃびしゃ降っている。『いんこう』(小沼勝・1986)をFANZA動画で。「日活ロマンポルノ最後の看板女優」(Wikipedia)という呼び名に魅かれ、麻生かおりの主演作を初めて観る。【以下、ネタバレあり。役名では呼ばず、俳優の名で呼んで…

半島で馬跳び

雨。終日蟄居。『恋人たちは濡れた』(神代辰巳・1973)をFANZA動画で。このロマンポルノの有名作については一個思い出すことがあって、劇終盤、男女さんにんが砂浜で裸になりながら馬跳びを繰り返す場面があるのだが、大学時代、友人Kが唐突にその場面を示…

倦む壮年

Hさんの西川口の会所が閉鎖され、2週間。まるで家庭妇女(専業主婦)のようだとボヤきながらもひねもす家に留まり、炊事洗濯をやってくれている。たまには運動がてら川沿いの桜を見に行ったり、近所の上海人のおばさんと家を行き来したり、一緒に超市に行っ…

潤沢

最早、世界中に拡まってしまった新型コロナウイルスに気を揉んでいるうちに2月が飛び退り、3月がきた。アフリカ諸国や北朝鮮も数にあがってこないが、かなりの感染者、さらには死者がいることだろう。 金曜日の晩にHさんがどたどた階段を下りてきて、超市か…

海からの風

23日、晴れ。どうしてこんなにぬくい2月があるのだろう。海が見たくなって、Hさんの賛同も得られたので、旭・銚子方面に向かう。かなりの強風で、高速の吹流しも真横に張ってぶるぶる震えている。上述の2市は海沿いなのでなおのこと凄かった。 まずは以前行…

神戸1981

ああ、目が痒い洟が出る。『風の歌を聴け』(1981・大森一樹)をDVDで。2回目。原作はとうの昔に読んだのでほとんど覚えていないが、映画とそれを比べようとか思わない。ただ、昭和50年代半ばの神戸というと、幼い私や弟が両親に連れられてしょっちゅう祖母…

私はコンデンスミルクを所望する

いちご狩り再び。これはもうHさんのリクエストというより、私の雪辱のようなところがあります。先週の徒労を同じ活動をすることの中で挽回したかった。 いちごはやはり栃木に行くべきだったのだと思い返し、去年訪れた鹿沼のビニルハウスへ。同じ轍は踏まな…

ハイリーピン

12日、夜。福建人の作ったハイリーピン(海蛎饼)と宇和島から送られてきた柑橘類を食べる。Hさんも西川口の会所で4個食べてきたというハイリーピン、小生も3個ぺろりといってしまいました。海鮮主体でさっぱりした味付けの福建料理は日本でもっと流行って…

耐雪梅花麗

11日、晴天。高速を走っている時、涙ぐましいブルーの空に白い富士山が輝くように浮かび上がっており、感動した。 越生梅林はまだ早かった。今週末から梅祭りだというが、それでもまだ早いだろう。2月下旬が見頃かしらん。 時間は少し遡り、日高市(人口5万5…

嫌な感じ

9日、晴天。高速でかなり横風にあおられる。いちご狩りをしたいというHさんのリクエストで、前日に調べた八郷のいちご団地に行くが、手前の朝日トンネルに入るところで渋滞している。どうやら内部で工事をやっており、片側通行になっているようだ。15分程待…

触知

5日。『こおろぎ』(青山真治監督・2006)をDVDで。西伊豆の安良里が舞台。地図で見てもわかるが、この港は駿河湾から深く切れ込んで、周囲を山に囲まれ、いかにも天然の良港という感じ。西伊豆は去年ドライブしたが、断崖にへばりついた狭隘道路を上ったり…

小燦と緑色の昼飯

2日、晴天。大多喜のハーブ園へ。前日、歯茎を切開したため、Hさんが誘っても断った母親と、父親、小燦も一緒だ。痛み止めを呑んで、歯の調子が思ったほど悪くないからだって。こちとら、インプラントの一進一退で歯茎の切開は何度もやり、慣れっこになって…

中華風アロスティチーニ

夜。御徒町の高架下で中華風アロスティチーニを10本食らう。Hさんは今月大陸に帰るのをやめ、飞机票を退掉するので連絡しろとぼくに命じるが、航空会社の番号にかけても全然繋がらない。ナビダイヤルでお繋ぎします、などとぺちゃぺちゃアナウンスが流れる…

先生の変態

【2020・令和2年1月31日に考えた谷崎潤一郎著作、私のベスト10(年代順)】 1.「饒太郎」(1914・大正3) 2.「秦淮の夜」(1919・大正8) 3.「富美子の足」(1919・大正8) 4.「途上」(1920・大正9) 5.「蓼喰ふ虫」(1928~29・昭和3~4) 6.「…

口罩

夜。隅田川を渡り、地元の和食レストランへ。今日、Hさんは東京入管に5時間半滞在した。これはラグビーの試合が4試合まるまる入るほどの時間である。結果、3年の在留許可が下りたわけだが、彼女の心身の疲労を考えて外食に誘った。私も交付の窓口までは一緒…

黒い零食

25日。仕事終わりに北千住の大箱喫茶。スーパーフラットじみた黄色いキャラクター人形を店先に置き、サンローゼ時代の澀みや豪奢は後退したが、それでも店内ほとんどの席が埋まっている。相変わらず地元の老人たちの憩いの場であるのも微笑ましい。柱を囲ん…

残響

18日。西新井まで散髪に行く。もうここ3、4年来行きつけの店だ。現在の店長だという担当者に、広島出身の店長がいたはずだがと問うと、もう1年以上前に辞めており、奥さんの実家がある秋田で独立しているという。ちなみに奥さんも美容師と聞いている、と。見…

たそがれどきはけうとやな

15日夕。ころ柿をスーツのポケットに忍ばせて業界の新年会に赴く。無論、裸ではなくラップにくるんである。 不忍池の弁天橋をとぼとぼ歩いていると、薄闇の向こうから若い男の甘ったれた中国語が聞えてくる。多少の興味ですれ違いざまに見やれば、同年代の女…

関東平野

曇天。普段ほとんど乗らない高崎線が北本駅に差し掛かってなんとなく思い出した。僕の通っていた男子校は文京区にあるが、当時、北本に住む級友がいた。マイナーな市なので、高校生には埼玉のどこかという程度の認識しかなかったのだが、こうしてみるとかな…

神戸牛肉

6日夜。18階より神戸港を臨む。「正宗的神户牛肉(ヂェンゾンダシェンフニュウロウ)ですね」とHさんがこの店の肉を絶讚する。サシが絶妙に入り、圧倒的にうまい肉で、私も驚いた。 時間は遡り、在来線で三ノ宮に着いたのが昼過ぎ。上島珈琲店で軽く食べ、…

シンガンシェン

5日。神戸の祖母を訪ねる途中、Hさんと京都で一泊する。祖母が施設に入って3回目の正月だ。毎回、行きは新干线(シンガンシェン)、帰りは両親と合流してクルマで帰ってくる。以前には有馬温泉、淡路島、倉敷などで一泊した。 南禅寺の三門に上って遠望する…

西の覇王

3日。体調優れずいちにち蟄居。横臥しながらJ SPORTSで高校ラグビー準々決勝4試合を観る。甲子園も花園もベスト8がおもしろいとはよく言われることだ。実力伯仲同士の戦いだから。それにしてもラグビー文化とは西のものだ。今回も大阪の3校が当たり前のよう…

漂泊者

大晦日、晴れ。私は部屋や便所、Hさんはダイニングや玄関の掃除をしたあと、北千住に繰り出しました。人混みに揉まれながら目抜き通りを歩いていくと、不覚にも目的の喫茶店が閉まっていたため、思いつきで駅前のカラオケボックスに入ります。どうゆう風の…