川の照り

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

残響

18日。西新井まで散髪に行く。もうここ3、4年来行きつけの店だ。現在の店長だという担当者に、広島出身の店長がいたはずだがと問うと、もう1年以上前に辞めており、奥さんの実家がある秋田で独立しているという。ちなみに奥さんも美容師と聞いている、と。見…

たそがれどきはけうとやな

15日夕。ころ柿をスーツのポケットに忍ばせて業界の新年会に赴く。無論、裸ではなくラップにくるんである。 不忍池の弁天橋をとぼとぼ歩いていると、薄闇の向こうから若い男の甘ったれた中国語が聞えてくる。多少の興味ですれ違いざまに見やれば、同年代の女…

関東平野

曇天。普段ほとんど乗らない高崎線が北本駅に差し掛かってなんとなく思い出した。僕の通っていた男子校は文京区にあるが、当時、北本に住む級友がいた。マイナーな市なので、高校生には埼玉のどこかという程度の認識しかなかったのだが、こうしてみるとかな…

神戸牛肉

6日夜。18階より神戸港を臨む。「正宗的神户牛肉(ヂェンゾンダシェンフニュウロウ)ですね」とHさんがこの店の肉を絶讚する。サシが絶妙に入り、圧倒的にうまい肉で、私も驚いた。 時間は遡り、在来線で三ノ宮に着いたのが昼過ぎ。上島珈琲店で軽く食べ、…

シンガンシェン

5日。神戸の祖母を訪ねる途中、Hさんと京都で一泊する。祖母が施設に入って3回目の正月だ。毎回、行きは新干线(シンガンシェン)、帰りは両親と合流してクルマで帰ってくる。以前には有馬温泉、淡路島、倉敷などで一泊した。 南禅寺の三門に上って遠望する…

西の覇王

3日。体調優れずいちにち蟄居。横臥しながらJ SPORTSで高校ラグビー準々決勝4試合を観る。甲子園も花園もベスト8がおもしろいとはよく言われることだ。実力伯仲同士の戦いだから。それにしてもラグビー文化とは西のものだ。今回も大阪の3校が当たり前のよう…

漂泊者

大晦日、晴れ。私は部屋や便所、Hさんはダイニングや玄関の掃除をしたあと、北千住に繰り出しました。人混みに揉まれながら目抜き通りを歩いていくと、不覚にも目的の喫茶店が閉まっていたため、思いつきで駅前のカラオケボックスに入ります。どうゆう風の…

欠落

8月に観たものを12月30日に書く。9月下旬から11月の頭まではラグビーW杯に没入したこともあり、対スコットランド戦の日本のトライシーンはめざましく思い出せるのだが、このTVドラマは記憶が曖昧になっている部分も多い。かといって、今もう一度観直す気力は…

別人

日活ロマンポルノ『闇に浮かぶ白い肌』(1972・西村昭五郎)をDVDで。これは10数分に1回濡れ場があれば何を撮ってもいいことを利用したサスペンススリラーである。雰囲気たっぷりで、わりとしっかりつくられており、安っぽさは目立たない。個人的に好きな作…

言の葉の水

昨夜、NHKでやっていた井上陽水のデビュー50周年を特集した番組の中で語られた言葉のうち、今朝起きても印象に残っているものを念のため書き留めておこう。なお、正確性は欠くと思う。 松任谷由実。自分がデビューした当時、おんな陽水とかおんな拓郎と呼ば…

歳末のコペンハーゲンクッキー、ジーヂュン、ジートゥイ

急に風が強い。壮年は頭頂部の透けた髪をめちゃくちゃになぶられ、それをままよとしている。 昨晩は今年最後の忘年会に参加し帰宅すると、テーブルの上にHさんが京橋まで行って買ってきたというコペンハーゲンのクッキー罐がふたつ載っている。それを今朝起…

雨の港

22日。Hさんの仕事関係のイベントで横浜のホテルへ。内容のほとんどに興味はないが、このダンスパフォーマンスはちゃんと見た。魔都の妖艶があったから。 この手のシャンデリアを見るといつも思うのだが、相当に重量がありそうな照明器具を吊り下げるには天…

蹉跌

『青春の蹉跌』(1974・神代辰巳)をDVDで。世評が高いのは知っていたが、観たことはないと思っていた。しかし、いざ観てみるとかなりの部分が記憶に残っており、たぶん学生の頃に観たことがあるのだった。70年代前半の空気が濃厚に漂っており、あまりに70年…

高架下にて

19日、夜。上野の客先に寄った帰り、高架下のラムタラ上野店でロマンポルノを漁る。店内では「西部警察」(1979~84)の高揚させるテーマ曲が繰り返しながれており、そこに上の線路を通過する電車の音と振動が被さる。さらに別の電子音楽も流れているようだ…

Nという女

忘年会から帰って、裸でシャワーを浴び、ベッドに仰臥すると、すでに横になっていたHさんがひとつ話をしてあげましょうと言う。どんな話だいと私。彼女はおもむろに始める。 Hさんの息子ディンディンはすでにシャオレイと婚約し、婚纱照も撮っている。来年…

海藻のように

夢をみた。川沿いのマンションに僕と弟とふたりで住んでいる。内装・設備は質素で、1970年代後半か80年代初頭みたいな趣きだ。われわれの年齢もどうやら若い。20代後半のよう。ベランダから見える川は明らかに隅田川で、眺められる高さと角度が、かつてほん…

双眸

根津仁香(じんか)著『根津甚八』(講談社)読了。 11月27日の雑記で根津甚八について触れたが、その後どうしても彼のことが気になり、古書で購入し、一気に読んだ。妻が書いた夫の伝記。さまざまな病を患った末、ほとんど外出もしなくなった根津に妻が自伝…

フラジャイル

7日、本格的な寒さ。止みそうで止まない雨。午後2時過ぎに仕事を終え、帰宅。来週に向けて考えをまとめるため、机上にノートとボールペンを出すが、少しもまとまらない。重ね着してころ柿をかじっているだけで、脑子不工作了ということ。だからペンもついに…

飴色をかじる。

晩飯のあと、Hさんの買い物に付き合い、ついでに好物のころ柿を買う。ドラッグストアでは同業者のKに会う。これで二度目だ。来年の初め、彼からある立場を引き継がねばならない。そうゆう成り行きになった。 東京オリンピックの開催がだいぶ先の気がしてい…

ティンブドン事件

月が替わって今年もあと1ヶ月。インプラントの土台は周辺組織と結合しつつあるが、仮歯は来年になってしまうだろう。費用も期間も手順も事前に知ることができても、いざやってみるとまた違った感慨を抱く。ここに至るまで一進一退の攻防もあったが、やる前は…

蜜をなめる43才

1980年代の日本映画を観て、根津甚八っていい役者だなってあらためて思いました。2000年代に入ってからはさまざまな病を患ったり、交通事故を起こしたりと不運がつづき、最後は俳優業をやめるに至ったようですが、鬼籍に入った現在も、彼の功績はフィルムに…

烧烤━タフガイのいる風景

烧烤(BBQ)をやるからとHさんの上司W老师に誘われて、ひょいひょい西川口に出かけていった。どこでやるのかと思ったら案の定アナーキーなことで、会所の入口、雑居ビルのエレベーター降りてすぐの踊り場であった。煙や熱に反応するような機器は見当たらな…

視力補正器具

雨がびしゃびしゃと降りつづく。Hさんが前からの約束だし、すでに金銭を払い込んだので仕方がないと午前6時に起床し、支度を整え、錦糸町に向かった。伊豆修善寺に行く日帰りバス旅行の出発地らしい。パジャマ姿で玄関に佇むわたしの薄毛に冷たい雨粒が降り…

東荒川ダム親水公園

16日、行楽日和。家のポリタンクに湧水がなくなったからまた汲みに行こうとHさんに数日前から言われていた。そんなもんわざわざ行かずにスーパーでミネラルウォーターでも箱買いすればいいと言う人がいるかもしれないが、彼女もモノよりコトで考えており、…

日本麻辣化計画

12日。Hさんの病院に駒込まで付き添い、昼前に終わったので隣り駅の巣鴨で上海料理を食う。彼女の好物という烤麸(カオフ)を注文するが、私はあまりうまいと思わない。例によって上海口味で、砂糖の甘みがつよい。見た目ほど濃い味ではなく、しっとり弾力…

さみしい海辺

10日、小春日和。さみしさの漂う11月の海水浴場。ぼくは波打ち際まで行ったが、振り向くとHさんはついてきていない。30mくらい後方で打ち捨てられたゴミの上に立ち止まり、顰めっ面をしている。そこまで戻り、けっこう波は荒いよと言うと、没有什么好玩と低…

醉蟹

4日、小春日和。最近、Hさんが気に入ってよく行っている巣鴨の上海料理の店。ぼくは初めてなのですが、蟹好きの彼女が醉蟹(ズイシエ・酔っぱらい蟹)を食べさせたいというのでひょいひょいついていきました。T恤いちまいでよいくらいの陽気で、街路を歩い…

フィジカル!!

2日夜。決勝は南アフリカの完勝だった。開始早々、イングランドのPRシンクラーが味方とぶつかって頭を強打し、負傷退場。これが響いたのか、スクラムは南アが圧倒的優勢、イングランドは再三コラプシングをとられ、そのたび南アのポラードのペナルティキック…

猫の額

家の向かいの建売住宅の工事が終わりに差し掛かっている。木造3階建だから工事期間中も不快になるほどの騒音や振動はなかった。前面の狭隘道路にトラックが停まりぱなしになるのは鬱陶しかったが。この建売の右隣りに古ぼけた木造2階建の家屋があり、昔から…

準決勝

27日曇天。Hさんと約束していた湧水汲み、みかん狩り、道の駅での農産物買い、豆腐買いに寄居風布、ときがわを回る。ふたりとも気に入って何度か行っている土地だ。空のポリタンク2つをクルマに積み込み、出発。無論、夕方からの南ア対ウェールズ戦が始まる…